トップライター眞鍋 知子さんいいづな写真歩きの会をやってみた。ぶらぶら歩けば出会いに当たる!

いいづな写真歩きの会をやってみた。ぶらぶら歩けば出会いに当たる!

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画像や動画に特化したSNSとして人気が高いインスタグラム。キーワードによって共通のカテゴリーを検索したり、投稿した記事を見つけてもらいやすくしたりするために「#(=ハッシュタグ)」をつけ、世界中のユーザーとつながることができるのが特徴です。いまや国内のアクティブユーザー数は3,300万人、世界では10億人以上と、国内ではFacebook(2,600万人)を抜いて利用されています。ハッシュタグには写真やカメラに関連するものが多くあり、代表的な #写真好きな人と繋がりたい は、4,915万件もの投稿があります(2022年10月時点)。

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SNSに流れてくる画像を見ていると、何気ない風景や見落としがちな日常にも、切り取り方次第で、ハッとする景色が隠れていることに気づかされます。「最近、あまり写真を撮ってないなあ」と思っていたところ、コワーキングスペースのホワイトボードに「カメラ撮りまちあるきしたい人募集中(ま)」という書き込みを見つけました。

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ツクリバの掲示板

このコワーキングスペースは、長野県飯綱町の廃校活用施設「いいづなコネクトEAST」内にある、交流スペース「ツクリバ」。ここは、コワーキングスペースでありながら、つながりや交流を求める人たちが自由に集える場でもあります。

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ふすまの張り替えしたい人、ボードゲームやりたい人などの書き込みも

この書き込みをしたのは、ツクリバのコミュニティマネージャーの増川千晶さんでした。さっそく意気投合した私たち! いいづなの写真好き女子が、カメラを持って散歩に出かけることになりました。
集合は、飯綱町の唯一の駅、しなの鉄道北しなの線牟礼駅。ここから駅前の商店街をぶらぶらして、気になった景色を撮りながら歩くことにしました。

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数年前の駅前商店街は、2~3軒を残してほとんどシャッター街のようになり、このまま廃れてしまうのではとさみしい空気が漂っていました。それが、2018年にバッグ作家の中林ういさんが、元履物屋さんだった建物をリノベーション。作品を展示するギャラリーを兼ねた裁縫店「malmu」をオープンしたのをきっかけに、少しずつ少しずつではありますが、空き店舗を活用する人が出てきました。
新しくオープンしたお店を紹介すると、駅から歩いてきて右手にあるのが「Sandglass(サンドグラス)」さんです。サンドグラスさんは丸為旅館さんの一角に開店した喫茶店で、建物の赤い瓦屋根にグリーンのドアと、窓辺に飾られた雑貨たちがかわいらしい印象です。イメージに反して料理はボリューム満点と聞いていますが、この日は定休日だったので、また次回、訪れてみようと思います。丸為旅館さんは100年近く続く老舗ですが、住まいのサブスクリプションとして注目されるADDressに飯綱町で唯一登録していて、新しい宿のスタイルにチャレンジしています。

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FLAVORさんのレトロなショーウィンドウ

元太田金物店を改修した古着のお店「FLAVOR」さんも、あいにくこの日はお休みでした。ウィンドウには、天狗がデザインされたTシャツが飾られ、建物の古さを活かしてとってもおしゃれな雰囲気が漂っていました。次はお店の中にも入りたい!

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そして、駅前商店街活性化の原点である「malmu」さんへ。赤い扉の真鍮のドアノブを回してお店に入ると、そこはおしゃれな別世界が広がっています。ヘリンボーンのフローリングの床に、壁一面にかかった作品、ずらりと並んだカラフルな生地の反物と雑貨たち。店主の中林ういさんは、窓際のカウンターでミシンかけをしていました。写真を撮りながら歩いていると話すと、「自由に撮っていって~」とお店の中の撮影も快諾してくれました。

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malmuさんの骨董コーナー

次に向かったのは、元電器店の平和堂です。ここは有志によって片付けとリノベーションが行われていた物件です。借り手を探していたところ、飯綱町地域おこし協力隊の中嶋真也さんが手を挙げ、事務所兼スタジオ兼ギャラリーとして使用しています(Masaya Nakashimaデザイン事務所)。こちらも、元のお店の雰囲気を残したシャビーさがおしゃれ。木枠のガラスの引き戸を開けて中に入ると、レトロなカメラがずらりと並んでいました。家具なども、古い家から出た処分品を譲り受けたそうで、古いものを大切に受け継いでいきたいという思いが伝わります。

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カメラ談義をしていたら、中嶋さんの住むシェアハウス「Ringo荘」の話題に。室内を見たことがないという増川さんの希望で、急きょ内見させていただけることになりました。「そういえば、中庭にある土蔵をコーヒーの焙煎場兼カフェにするためにリノベーションの真っ最中なんですけど、見てみます?」と中嶋さん。

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いやもう、おもしろいくらいなかなか前に進めない(笑)。そしてまた、それが楽しい。駅から240メートル、徒歩で3分ほどの距離なのに、ここまで1時間以上かかっています。

土蔵は、少し前までは雑多な物であふれていて朽ちかけた箇所もあり、見ようによっては再生不能のようにも見えました。それが、片付けをし、窓枠を新しく入れて、再起の息吹が感じられるようになっていました。古いものを壊してしまうのは簡単だけれど、古さは年月を経ないと手に入れられません。古い土蔵がカフェへと生まれ変わる日が楽しみです。

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さあ、いよいよRingo荘へ。こちらも古い家の良さを生かしてリノベーションされています。たとえ実際にこういう家に住んだことがなくても、なぜ人は懐かしさを感じてしまうのでしょうか。ここでは皆でネコたちと戯れながら、しばし本談議に花を咲かせました。

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「最近は、本が読みたい! と思っても、なかなか落ち着いて読めないよね」
「この本は、おすすめです」
「あ、この作家さんは私も読んでますよ」

毎日を忙しなく送っていると、落ち着いてページをめくる時間すら惜しくなりがち。世の中は活字離れがすすみ、かくいう私も新聞すら読まず、買った本は棚に積まれたままになっています。本が暮らしに身近な若い人たちがこれだけいるということに、とてもうれしく、そして見習わなければと背筋が伸びる心地もしました。

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あまりに居心地がよくて長居をしてしまったので、最後は牟礼駅方面へ戻りながら撮影することにしました。駅から国道へ抜けられる踏切から、鳥居川を渡り国道18号へ。途中、まちのPRキャラクターみつどんの顔出しパネルで記念写真を撮ってみたり、大きなヘビを踏みそうになったり(!)しながら、気の向くまま、思いつくままにレンズを向けて歩きました。

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ふと気つけば太陽が傾き、足もとには長い影。13時にスタートし、解散場所の牟礼駅に戻ってきたのはちょうど16時ごろ。撮影した枚数は46枚で、歩いた距離は4.61km、歩数は7,767歩でした。

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これからもこの「まち歩き撮影会」は、ゆるゆると活動していこうと思っています。一眼レフやミラーレスなどのしっかりしたカメラでも、私のようにスマートフォンでも、写真が撮れれば道具はなんでもOKです。写真を撮るのが好きな人、撮ってみたい人などなど、一緒に歩いてみませんか? 

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