小麦粉に水を加えて練り、薄く伸ばした生地で野菜などの具を包んだ「おやき」は、長野県の主に北部地域、北信地方で各家庭に伝承されてきた信州の郷土食。
焼いたり蒸かしたりと製法や具材は地域によって千差万別ですが、栄養バランスに優れたスローフードです。
コンビニやスーパーでもよく見かける身近なおやきですが、なんだか難しそうで、作ったことがない方も多いのではないでしょうか?
今までは食べる専門でしたが、今回ズクだしておやき作りに初挑戦してきました!
参加したのは、いいいいいいづなマガジン「町民ライタースキルアップ講座・番外編いいづなに伝わるおやき講座」です。
講師は、「だんどりの会」の佐藤アツ子さんと宮本久子さんです。
おやきの皮は粉の種類や配合によって食感が変わりますが、いいづなのおやきはふくらし粉の入ったふっくらタイプなのだそう。
ふかっと肉まんタイプですね。
今回包む具材は、あんことかぼちゃのミックス餡のあんかぼ、キャベツとにんじん、野沢菜の3種類。
具材は特別なものではなく、季節の野菜や冷蔵庫の余り物を入れるそうです。
その時期の旬の物を美味しく包み、残り物も余すことなくいただけるように作られてきたおやき。皮と具材の組み合わせで、バリエーションが無限大に広がりますね。
では、作り方です。
粉とベーキングパウダーをふるったボールに、砂糖、油、ぬるま湯を混ぜて、砂糖をよく溶かします。
柔らかくなることもあるので、ぬるま湯は様子を見ながら少しずつ加えていきます
よくこねてひとまとめにしたら、30分ほど置いて寝かしておきます。
続いて具材を作ります。あんかぼと野沢菜は、佐藤さんと宮本さんが用意してくださったので、私たちはキャベツとニンジンを作ります。
短冊切りにしたキャベツとニンジンを味噌で和え、隠し味にすりごまを入れるのがポイントです。
ところで、ごま和えのことを別名「およごし」と呼ぶと聞き、私は知らなかったのでびっくりしました!
黒ごまで汚したように見えることから、ごま汚しともいうそうですが、知っていましたか?
こねておいた生地が落ち着いたら、いよいよ具材を包んでいきます。
おやき作りのハイライトですね!
親指と人差し指で作った輪の上に皮を乗せて、それぞれの具をだいたい40gくらいのお団子にして包んでいきます。
皮が良く伸びるので包みやすいのですが、欲張って具を詰め込みすぎると、皮が破れて中身が飛び出すことになってしまいます!
にっちもさっちもいかなくなり助けを求めると、宮本さんが手際よくささっと包み直してくださいました。
お見事! 仕上がりも綺麗です。
中の具材の目印として、あんかぼにはかぼちゃを、キャベツとニンジンにはニンジンを、それぞれ小さく切っておやきの上に乗せておきます。
この目印!
ちょっとしたことだけれど、食べる側としてはとてもうれしい心遣いですよね。
2つ目はしょっぱいおやきが食べたくてなすを手に取ったはずが、割ってみたらあんこを連続で食べる羽目に……なんていう、ちょっと悲しい事態も防げます。
具材と皮のバランスに苦心しつつ全て包み終えたら、蒸し器で10分から15分ほど蒸します。
こんな大きな蒸し器でドーンと蒸すと、それだけでもう美味しそうでワクワクしますね。
お茶受けに、包み切れなかったキャベツとニンジンをいただきながら、蒸し上がりを待ちます。
この美味しい具材が入ったおやきが、美味しくないわけがない! と期待が膨らみます。
お待たせしました~! 美味しそうに蒸しあがりました。完成です!
だんどりの会さんへの質問や参加者同士の話が弾み過ぎて、おやきの存在を忘れて蒸し時間をオーバーしてしまうというハプニングもありましたが、
無事、お土産に持って帰れるほどたくさんのおやきが出来上がりました。
蒸したてのほかほかおやきと、温かいお茶の組み合わせに手が止まらず、気づけば5つも!食べてしまいました。
でも中身が旬の野菜なら、美味しく栄養バランスも取れて、いくつ食べても罪悪感がない? のがありがたいですよね!
野菜嫌いなお子様や、忙しくてワンハンドで食事を済ませたいなんて人にもぴったり!
皮が破れても蒸し過ぎても美味しければ結果オーライ! 思いのほか簡単に作れたので、我が家でも近いうちにチャレンジしてみようと思います。