トップいいいいいいづなマガジンThe Road to Apples 〜美味しいりんごができるまで〜 初夏・摘果編

The Road to Apples 〜美味しいりんごができるまで〜 初夏・摘果編

りんごの花が散る5月半ば、飯綱町も初夏の陽気を迎えます。
田んぼに水が入り、代掻き(しろかき・水が入った田んぼの土をかき混ぜて慣らすこと)、田植えと続き、山や畑の新緑が青空に映える時期です。りんご畑でも葉が生い茂り、飯綱町の景色はすっかり緑色に様変わり。

【飯縄山、戸隠山を臨む】
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さて、初夏のりんご農家の仕事はというと? 今回も、ざっくりした年間作業工程表を見てみましょう。
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初夏、5月から7月にかけて行われるのは「摘果(てきか)」。この摘果作業、厳密にいうと2種類あるんです。

1回目の摘果、通称「一番摘果」。
これは、花摘みと同様の作業です。真ん中にある「中心果」を残し、中心果の周りにある「側果(そっか)」を落としていきます。

【花が落ちて実になり始め、摘果するころのりんご】
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摘果で中心果を残すのですが、中心果に何らかの問題がある場合も残念ながらあります。どんな問題かというと…?

事例1:そもそも花が霜で枯れてしまい、結果しない(実にならない)場合。
この5輪はすべて枯れてしまっているので、何も残せません。
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事例2:中心果が霜で枯れ、側果のみ残った場合。
側果のうち形のいいもの一つを残し、あとは落とします。yamaura_shokahen5.png

事例3:蝶や蛾の幼虫などに実を食べられてしまった場合。
中心果でも側果でも、虫に食べられてしまったら、全部落とします。yamaura_shokahen6.png

【摘果で落としたりんごの実たち】
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一番摘果を終えるとすぐ、2回目の摘果、通称「二番摘果」へ入ります。

【二番摘果を開始するころのりんご。ずいぶん大きくなってきています】
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二番摘果は、最終仕上げ。どの実を残し、りんごとして実らせていくかを決めていきます。枝全体に残っている実の数のバランスを見ることが大切です。残すりんごが多すぎると、実に十分な栄養がいきわたらず、小玉なりんごになってしまったり、枝が重くなり折れる原因になったりします。逆に少なすぎると、大玉すぎるりんごができてしまいます。

【写真上・二番摘果前 写真下・二番摘果後】
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摘果の後、りんご残ってなくない? と思う方もいるかもしれません。当農園では、「少しすかすか位がちょうどいい!」という気持ちで、心を鬼にして、りんごを落としています(笑)。それぞれのりんごのスペースをしっかり確保し快適空間を作ってあげることも、ちょうどいいサイズのおいしいりんごをつくる秘訣のひとつです。

初夏は、日差しが強い日も雨の日も多い、天候が変わりやすい季節。体への負担も大きくなってきます。それでも、日々少しずつ変わる緑の景色を楽しみながら、今日も作業に励んでいきます。

【時季外れのりんごの花】
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