藍色をした布のような、紙のような立体があります。ふろしき?袋? さて、これに包まれているものは何でしょう?
正解は、泉が丘喫茶室のキャロットケーキでした~。ちなみにケーキを切ってみると断面はこんな感じ。ザクザクした歯ごたえのタルト生地に、ドライフルーツがたっぷり入ったキャロットケーキがあり、その上にはクリームチーズがのっているという、なんとも調和のとれた大人味の一品でございます。
食べ応えもあるケーキに満足したところで本題です。今回の主役はケーキではなく、ケーキを包んでいたものの方です。これはエコラップといい、布にミツロウを加工したものです。
5月7日に、いいづなコネクトEASTで開催された〈いいづなものづくりワークショップ〉へ行ってきました。この日は、「エコラップづくり」と星空案内人・相澤奈々さんの「手のひらプラネタリウムづくり」がおこなわれていました。近所でちょこっとこんなイベントがあるのは、気軽に参加できてうれしいですね。私が参加したのは「エコラップづくり」です。エコラップというのは、布にみつろうなどを染み込ませて作られた食品保存用ラップで、繰り返し使えることから、一般的なプラスチック製ラップに替わるものとして注目されています。前から気になっていたんですよね。教えてくださるのは九里美綺(くのり みき)さん。今春から大学院に通う傍ら、このいいづなコネクトEAST2階のツクリバでコミュニティマネージャーとして活躍しています。
用意されていたのは、元呉服屋さんから譲ってもらったという15㎝四方の布で、3色から選べるようになっていました。どれも素敵な柄ですが、欲を言うと、おむすびを包めるサイズのエコラップが欲しいと思っていたんです、私……。すると九里さんが、大きな藍の絞り染めの生地を希望の大きさにカットしてくれました。わがままを言ってごめんなさい!
布を選んだら、いよいよ作業開始です。段ボールの上にクッキングペーパーを敷き、その上に布を置きます。
布の上にチップ状のミツロウを散らします。
さらにその上にクッキングペーパーを重ねて、アイロンをかけていきます。アイロンの温度は「中」にして、ゆっくり押し付けるようにミツロウチップを温めて溶かしていきます。たまにクッキングペーパーをめくって、ミツロウが生地全体に染み込んでいるか、ムラがないか確認します。
布の面積が大きいと、この作業がとても大変。一方を温めていると先に溶かした方が冷めて白くなってしまうので、集中して小刻みにアイロンを動かします。ミツロウが染み渡ったら、最後に全体を温めて、まだ熱いうちに手早くクッキングペーパーをはがし、端を持って乾かしたら出来上がり。念願のエコラップの完成です。
ハギレが、下をつまんでもピシッと固まって立っています。15㎝だと小鉢のふたとして使えますね。「ふたにするときは、容器に合わせて手で温めながら押さえつけると、ちょうどいい形になるんですよ」と九里さん。汚れたら水で洗って乾かせば長く使えるそうです。しわになったら、クッキングペーパーで挟んでアイロンがけすると元に戻ります。本当にエコですよね。
講師を務めた九里さんは、長野県立大学ソーシャル・イノベーション研究科に在学中で、「経営活動そのものが、地域や社会、環境のためになるような会社、経営を専門に学んでいます」とのこと。説明を聞くと難しそうですが、ようするに、エコラップをなるべく活用して、プラスチックのラップの使用をなるべく減らせばいいのかな。それなら私にもできそうです。エコラップは、保存するものの形状によっては、包み方に工夫が必要だったりもしますよね。冒頭のキャロットケーキは、九里さんと、会場に現れたnonky-nonkyの高木しず花さんが、いかにケーキをつぶさずにエコラップで包むかを考えてくれたのです。
高木さん(左)と九里さん(右)
おふたりがエコラップでどうやってケーキを包むか試行錯誤してくれているあいだ、私はキツツキドーナツを堪能
なんとなく似た雰囲気を持つこのおふたり、実は飯綱町で今話題の「キツツキドーナツ」としても活動しています。長野県産のスペルト小麦(パン用小麦の原種にあたる古代穀物)と豆乳で作られた優しい甘みのドーナツは、何個でも食べられちゃう美味しさですよ! キツツキドーナツは、飯綱町周辺のイベントに出店している際に購入できるそうです。見つけたら即買いです。
器のふたとして使ったり食べ物を包んだりと、エコラップはさまざまな使い方ができそうです。何度も使えてお手入れ簡単、ミツロウでできているので食品に触れても安全安心です。ミツロウには殺菌作用もあるのだとか。逆に不向きなのは、冷凍や油もの、電子レンジには使えませんのでご注意ください。好きな生地を使えば色柄が楽しめて、キッチンでも目につきます。エコラップを毎日の料理の相棒に、仲良く付き合っていこうと思います。
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「手のひらプラネタリウム」で出店していた星空探検プランナーの相澤奈々さんは、5月13日(土)にも星空教室を開催予定です。ちなみにブースで販売していた相澤農園の「青ノ卵」を買って卵かけご飯にして食べたら、ミルキーでメチャクチャ美味しかったですよ。
相澤農園の「青ノ卵」は味が濃いのでTKGでいただくのがおすすめだそう!
◎星空探検プランナー相澤奈々さんの「やさしい星空教室」
5月13日 (土)
◎九里さんと高木さんのキツツキドーナツの出店情報
6月13日 (火)善光寺びんずる市(長野市)
6月20日 (火)Forrest Market(長野市)
6月21日 (水)Green Market Shinanomachi(信濃町)