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「いいづなCRAFT」をクラフト作家による表現の場に。 実行委員会代表 佐藤加代さんに聞く

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飯綱東高原霊仙寺湖隣「じゃぶじゃぶ池」周辺で、10月17日(土)・18日(日)に開催されるクラフトフェア「いいづなCRAFT」。第5回を迎える今年は、過去最高となるクラフト部門285名、飲食70名の合計355名もの応募が集まり、北は青森、南は九州まで全国各地のクラフト作家が出展します。元ガラス作家で、このイベントを主催する「いいづなCRAFT実行委員会」で代表を務める佐藤加代さんに、あらためてイベントに込めた思いをうかがいました。

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佐藤加代さん

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青空のてんぐ広場でインタビュー、気持ちいいです!

「いいづなCRAFT」は、新境地に達したのかもしれません。応募要項には、販売が主目的のクラフトフェアではないことを明確に打ち出し、「作家が自らの作品を展示して、来場者と直接言葉を交わしながら作品を手渡していく場でありたいと考えている」という文章を入れています。その結果、応募者に変化があったそうです。

「これまでいわゆるクラフトフェアに出展した経験のない方からも、応募があったんです。絵を描いていらっしゃる方とか、普段は農家をしながら染めをされている方とか。作品をたくさん作れない方もいらっしゃいます。そうした方々が、いいづなCRAFTを選んでくださったことを、光栄で嬉しく思いましたし、新たな扉が開いた感じがしました」(佐藤さん)

「いいづなCRAFT」への思いをうかがうなかで、佐藤さんはガラス作家として活動していた時に出展したクラフトフェアで、ある引っ掛かりを感じることがあったと吐露してくださいました。

美しいものを作りたい、という純粋な思いが根底にあるから作品を作っているのに、とにかく作品を売らないと対価が入ってこない。作品を作り、各地で行われるクラフトフェアに出展し、お客さまと対話して販売する。その繰り返しを続けるうちに、自分自身がそのサイクルに疲弊し、作品が作れなくなってきてしまったと言います。

また、クラフトフェアではブースの位置を指定・希望できない場合が多く、自分のブースと隣のブースの雰囲気が全く異なるときも、不調和を感じたそうです。
「私は作品を発表しに来ているのに、あまりにも世界観が違う。いいづなCRAFTではその違和感をなくしたいと思っていました」(佐藤さん)

そこで「いいづなCRAFT」では、ブースの配置に時間をかけています。出展者の選考・配置はくじ引きや先着順ではなく、作家の作風、ブースの色合い、作品同士の相性を考慮。また、つくり手の応募フォームには、展示についての工夫や希望を記入できる欄を設け、作家に展示イメージを考えてもらう仕掛けを用意しています。その結果、会場全体に調和のとれた雰囲気が生まれ、ブースの並びにも絶妙なグラデーションが生まれています。
「それが、いいづなCRAFTらしさを作っている要素です」(佐藤さん)

iizuna-craft_20251018-19-342.jpgiizuna-craft_20251018-19-613.jpgiizuna-craft_20251018-19-321.jpg2025年開催時の様子(提供:いいづなCRAFT実行委員会)

また、クラフトフェアの運営を経験し、運営側の負担が非常に大きいということも実感しました。企業が参画していないイベントの多くが、有志によるボランティアで成り立っています。運営側が負担に耐えきれずにイベントが途絶えてしまえば、それまで受け継がれてきたクラフト文化が衰退してしまうのではないか、という危機感がありました。

そのため今年は、Web関連の仕事をしていた経験を活かし、応募・選考から、決定後の情報共有までを一元管理できるWebシステムを用意することに。会場までのアクセスや、当日のお弁当注文の連絡などに加え、出展者同士が交流できる掲示板も設置。さらに、会場の様子を撮影し、YouTubeにアップして出展者へ共有しました。

「初めて出展する方はいろいろなことが心配だと思うんです。会場までのアクセスはもちろん、ブースを設置するには地面の傾きからして気になるものなので」(佐藤さん)

システムの導入で、出展者の不安解消はもちろん、運営側の作業負担やミスも減らすことができました。これだけではありません。既存サービスを活用し、GPSを使った会場MAPも準備しました。会場でもスマホなどでMAPを使えば、自分の今いる位置がすぐにわかります。

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自分が出展者だったら感じるであろう違和感をとことん排除した丁寧な準備に、佐藤さんのこだわりが感じられます。一方、当初から描いていた「見たことのない景色」を作りたいという思いは、5回目の今も変わりません。
「小さいときに読んだ児童小説が、私の根底にあるんです。その本に描かれていた、魔法使いや現実にはない不思議な町で体験する夢のような世界への憧れが、私の考える“見たことのない景色”につながっています」(佐藤さん)

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広場には黄色い花がたくさん咲いていました
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池のまわりは絵本の1ページのよう
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ふと、足元にはきのこが
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木立の向こうに天狗の後ろ姿。本当に不思議な国に来たみたいです

また、クラフト作家のステータス向上にもつなげたいと考えています。
「クラフト作家は、何もないところから自分のイメージを形にして作品を生み出すという意味で、ある種の“魔法使い”のような存在だと思っています。そうしたクラフト作家を、単に“作品を売る人”ではなく、表現者というジャンルのひとつとして、きちんと認めてもらえるようにしたい。クラフト作家という地位の基礎を作ることに貢献できたらと思っています。前回のインタビューでは、3年に1度のトリエンナーレのようにできれば、と話しましたが、あれもそのイメージです。トリエンナーレは、作品を見てもらうために運営側がお金をいただいていますよね。クラフト作家が、作ったものを売らなくても活動が認められ、お金という形でエネルギーが回ってくる。「いいづなCRAFT」を通して、クラフト作家が作品を売ることだけに価値を置かず、作品を発表し、活動すること自体が認められるような環境や、仕組みづくりにつなげていきたいと考えているのです」(佐藤さん)

「いいづなCRAFT」は補助金や協賛金に頼らず、出展者の費用で成り立っているイベントです。初回は約3,000人だった来場者数は増加を続け、昨年は1万人近くが来場するイベントに成長しました。しかし、てんぐ広場にはトイレなどの設備がないため、仮設トイレをレンタルしたり、車両が地面を傷めないよう、搬入・搬出時には敷き板を敷き詰めたりと、手間もお金もかけて準備しています。来場者がさらに増えると、運営が難しくなるかもしれません。今後もこの場所で「いいづなCRAFT」を続けていくには、環境整備も必要になってきます。

「ふるさと納税などを通じて、てんぐ広場の施設充実を応援してもらえたら」と、佐藤さん。

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てんぐ広場の芝を傷めないよう車両が出入りするときは敷板を使用

秋も深まり、いよいよ「いいづなCRAFT」が始まります。佐藤さんからは、「単に『作品を買いに行く』だけでなく、作家がブース全体で何を表現しているのかをくみ取り、作家とのコミュニケーションや、空間そのものを楽しんでいただけたらと思います」とメッセージをいただきました。

作品そのものはもちろん、作家がつくり上げる世界観や、それらを引き立てる「いいづなCRAFT」の息吹を感じに訪れてみてください。

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「いいづなCRAFT」
ホームページ:https://linktr.ee/iizunacraft
日時:2026年10月17日(土)10:00〜16:00・18日(日)10:00〜15:30
会場:長野県上水内郡飯綱町川上てんぐ広場(霊仙寺湖隣じゃぶじゃぶ池周辺)
入場無料・駐車場無料・雨天決行(荒天中止)

 

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