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IIZUNA 100 PROFESSIONAL PEOPLE

061 株式会社シーンデザイン一建築設計事務所 代表取締役 宮本 圭さん

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飯綱町の魅力的な環境を
うまく使える設計事務所でありたい。

長野市の建築設計事務所を経て、今年で開業10周年を迎える宮本圭さん。善光寺門前のユニークな建物をリノベーションしたシェアオフィスに事務所を構え、大規模施設から個人宅まで多彩な仕事に取り組むなかで、飯綱町でもツリーハウスやさまざまな物件の建築を手がけている。

ツリーハウスで広がった縁

 地元・長野市の「宮本忠長建築設計事務所」でホクトの工場や電弘の事務所ビル、水野美術館や結婚式場・THE FUJIYA GOHONJIN、複合施設・TOiGOなど華々しい建物の設計を担当してきた宮本さん。入社10年を機に独立開業した最初の仕事が、THE FUJIYA GOHONJINのコンサルタント会社・Plan・Do・Seeによる、名古屋の老舗料亭跡地を結婚式場に新築するものだった。
 「本来なら組織規模の大仕事で、僕が判断を間違えると巨額の損失が出る怖さがあったため、1人でやれたことは自信になりました」

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建築士はクライアントが漠然と抱く世界観を引き出し、さまざまな職種や立場の人をまとめ、クライアントの想像以上のものに具現化する仕事と捉えている宮本さん。建物が完成した際の「シーン」を大切にしたい思いから「シーンデザイン」との屋号を付けた。現在は長野市芸術館の写真展の展示プロデュースやテレビ局の情報番組のスタジオセットなど幅広い仕事を受けている。

 こうして名古屋を行き来した2年半の仕事が終わると、地元のつながりがほぼなかったため「何か面白いことをしたい」と考えた宮本さん。
 「建築士なのにツリーハウスの造り方がわからなかったので、建築士会の会合で飯綱町のツチクラ住建の方などに話すと盛り上がり、飯綱東高原にツリーハウスを造らせてもらえることになりました」
 その手伝いをブログで募集すると、今まで無縁だった職業の人と出会うように。その縁から、2009年、建築家とグラフィックデザイナー、編集者による異業種ユニット「ボンクラ」を立ち上げ、元ビニール工場の大きな蔵を改修したシェアオフィス・カネマツをオープンした。

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面白いコミュニティ作り

 カネマツのユニークな建物がつながりを生み、宮本さんにはさまざまな仕事が舞い込むように。そのひとつがアソビズムの社屋と大手智之社長の自宅や飯綱町の南インド料理店・モンマルシメの建物だ。図らずもツリーハウスを含め、飯綱町でさまざまな仕事を手がける宮本さん。そんな宮本さんが町に思うこととは──。
 「長野市から近い飯綱町は、働く場と生活の場、遊ぶ場とが渾然一体となるような面白いコミュニティがつくれると思っています。インターネットを使えば都会の仕事をしながら飯綱に住み、いきいきとした生活を送れますし、長野市の企業のサテライトオフィスも考えられます。僕はそうした環境をもっとうまく使える設計事務所でありたいし、それを受け入れてくれる町であったら面白いですね」

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ツリーハウスやカネマツを手がけたことで仕事の広がりが増えたという宮本さん。「たいていの人は建物を建てる際、設計士に頼むことはハードルが高いと思いますが、そういった垣根が低くなったのかもしれません」。写真は飯綱東高原に造ったツリーハウスで、老朽化のため現在は取り壊された。

PROFILE

長野市出身・在住、1970年生まれ。1996年工学院大学大学院工学研究科建築学修了。工学修士、一級建築士取得。同年、長野市の株式会社宮本忠長建築設計事務所入社。2006年、シーンデザイン一級建築士事務所開設。2009年、異業種ユニット「ボンクラ」とシェアオフィス「カネマツ」設立。2014年、現在のシェアオフィス「東町ベース」に入居。2015年法人化、「株式会社シーンデザイン建築設計事務所」に社名変更。

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