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060 株式会社サンクゼール サンクチュアリ事業課 三浦秀一さん

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事業課リーダーとして町の人に便利に使ってもらえ、
人と人をつなげる存在でありたい。

ワインやジャムなどの食品を製造し、全国に100店舗以上を構え、ブライダル業や海外進出など多面的に事業を展開するサンクゼール。三浦秀一さんは久世良三社長の思いを大切に、社内外のさまざまなプロジェクトを支えている。

渡仏しワイン醸造を勉強

 日本中に名を馳せるワイナリー、食品メーカーのサンクゼール。ここでワイナリーツアーやショップのディスプレー、イベントの企画など幅広い業務を担うサンクチュアリ事業課のリーダーが三浦さんだ。
 都内のフランス料理店でソムリエとなり、研修で訪れたアメリカのワイナリーでワイン造りの本質を知ったことから、渡仏して小さなワイナリーで修業をした三浦さん。帰国後は長野県と山梨県のワイナリーを訪ね、垣根栽培でレストランもあり、もっともヨーロッパのような本格的なワイン造りをしていたサンクゼールでの就職を決めた。
 「ワインの香りが素晴らしく、美しいワイナリーであったこと、そして社長の(久世)良三さんの温かく優しい人柄にも惚れました」
 入社後は12年ほどワイン造りを担当。赤ワインの発酵時にタンクの熱が逃げないよう、電気毛布や断熱材を巻くなどの試みにも挑戦した。そして醸造所のリーダーになったが、次第に自我が強くなり、リーダーとしての失敗を経験。その後、チーム全員の活躍や後進の育成を思い、ワイナリーやショップの見せ方、ツアーづくりなども考えたい思いからサンクチュアリ事業課に異動した。

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時には店舗に立ち、マイクを使いながらワインの試飲を勧める三浦さん。りんごのお酒・シードルは町産りんごのみを使用し、町の天然記念物・高坂りんごを使ったシードルは約1000本程の限定で本店のみの販売のため、全国から来客がある。

喜ばれる会社でありたい

 「現在は“サンクゼールのなんでも屋”として、忙しい良三さんの分もこのエリアを守るのがミッション」と話す三浦さん。会社としては町の委託を受けてシードルブランデーの蒸留も始めたため、今後はより町との関係を強化したいと話す。
 「良三さんは東京出身なので創業当時はよそから来た会社と思われていたようですが、徐々に店舗の数も町民の従業員も増え、少しずつ信頼関係もできています。だからこそ、僕たちはそれを裏切らないように努め、シードルやシードルブランデーの事業も成功させながら、町の人に喜ばれる会社であり続けたい。そこで、僕はサンクゼールのサンクチュアリ(聖域)を任されるリーダーとして、町の人に便利に使ってもらえる存在となり、役場や商工会、観光協会の企画をつなげるハブ機能を担えれば、もっと横のつながりも生まれるのではないかと思います。また、全国100店舗の直営店があるので、販売機能としても町内の生産者さんの期待に応えられるのではないかと思っています」
 同時に、決して企業力をおごらず、社長自身がそうであるように、常に謙虚でありたいと三浦さん。
 「それを継続して、初めて信頼を得ることができると思っています」
 こう話す穏やかさが、サンクゼールという会社そのものを表しているようだった。

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「飯綱町で本場のフランス・ノルマンディーと同じようにシードルやシードルブランデーを造れるのは幸せなこと」と三浦さん。今後は多くの生産者とつながり、既存品種以外のシードルやシードルブランデーにも期待したいと話す。

PROFILE

岩手県出身、1974年生まれ。都内の調理師学校を経て、フランス料理店に就職。1998年に渡仏し、ワイナリーで修業。翌年帰国し、株式会社サンクゼール入社。ワイン醸造を担当。2010年、サンクチュアリ事業課に異動。2012年、長野市から飯綱町古町へ移住。小学1年生と3年生の二児の父。

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