ホーリーバジルのお茶を通じて、
健康不安を抱えた地域の人の役に立ちたい。
インドでは「不老不死の霊薬」とされる薬効高いホーリーバジルを栽培する丸山里奈さん。特殊な乾燥法で作ったオリジナルブレンドティーは長野や東京の自然食品店などで流通している。
園芸の興味が栽培の喜びに
優れた薬効があり、万能ハーブとして知られるホーリーバジルを育てる丸山さん。もともと園芸に興味があったことから、長野市の園芸店や東京の生花店での勤務を経て、秋田県の世界遺産・白神山地の麓に移住。当時、「東日本大震災の放射能被曝によるDNA損傷は、トゥルシーティー(ホーリーバジル茶)を飲むことで修復される」と言われていたことから、知り合いのヨガの先生の勧めもあって丸山さんも育て始めた。すると、もともとハーブ類は性質が丈夫なこともあり、初心者の丸山さんでも生育に成功。さらに、お茶にすると好評で、心と体を癒す効果を丸山さん自身も実感したため、本格的に栽培を開始した。2年前には実家のある飯綱町にUターンし、適地だった信濃町の畑を借りられるように。現在は特に薬効が高い3種類を栽培している。
オリジナルティーを販売
現在、収穫したホーリーバジルは山形県や上田市真田の会社で「減圧平衡乾燥法(高熱ではなく減圧による乾燥で大事な栄養素が失われない製法)」で乾燥。それを日本人好みの癖のない味わいにブレンドし、長野や東京の自然食品店やオーガニックレストラン、体をメンテナンスするサロンなどに卸したり、ヨガ教室で提供している。
「そうした店で初めてホーリーバジルを知る方もいますし、そこからの紹介でご連絡をいただく人のなかには闘病中の方もいるので、そういった方々のお役に立てれば何よりです」
こう話す丸山さん。実際に自身もトゥルシーティーを飲むようになってから、全く風邪を引かなくなったそうだ。
「ホーリーバジルは高麗人参やマカ、アガリクスなどと同じ類のものとしてアダプトゲン(心身のストレスの抵抗能力を高める天然ハーブ)植物に指定されており、体全体に効果を発揮します。副作用もないので、どんどん飲んでもらいたいですね」
今後は、薬効があってもまだまだ知られていないハーブや、日本で入手しづらいハーブも徐々に増やしたいと話す丸山さん。熱意をもってハーブ栽培に励む佇まいには、自然な強さとしなやかさを感じた。
PROFILE
飯綱町普光寺出身・在住。1979年生まれ。さまざまな民族楽器を使う女性3ピースジャムバンド「UKI」のメンバーとして木管楽器・ディジュリドゥを担当。長野や東京の園芸店などでの勤務を経て、秋田県・白神山地の麓に移住し、2014年よりホーリーバジルの栽培を開始。2015年、帰郷。信濃町でホーリーバジルを栽培。