町としては協力し合える形をつくっていくしかない。
結局、顔の見えるつながりが大切です。
長野市消防局に勤務し、119番対応を行っている増田好幸さん。29歳の時に長野市から飯綱町の実家に戻り、地域活動に積極的に参加しながら、飯綱町のこれからのあり方も勉強。まずは地元、芋川地区への貢献を目指している。
地域の会議に積極的に参加
体を動かすことが好きで、人の役に立ちたい思いから消防士になった増田さん。現在は長野市消防局通信指令課で119番通報の応対や最新システムを使った配車手配、情報収集など、迅速かつ正確な判断を行っている。
私生活では26歳で結婚。飯綱町を出て長野市で暮らしていたが、専業農家だった父の他界を機に、母の手助けと実家の農業の維持、将来的な子育て環境も考えて帰郷した。3児の父となった今は、消防局の勤務形態が丸一日非番になることも多いため、保育園の送迎や学校の行事には積極的に参加している。また、地域活動にも興味をもち、知り合いが委員を務める飯綱町総合戦略推進会議も見学。現在は町庁舎建設検討委員と議会だよりのモニターを依頼され活動している。
顔が見えるつながりが大切
そのような町の委員を任されているからには、地域でつながりをつくっていきたいと話す増田さん。
「帰郷したばかりの頃は周りにあまり知り合いがいませんでしたが、つながりができた今は職業柄、災害に備え地域で顔が見える関係をつくることを心がけています」
また、少子高齢化には危機感を抱いているが、全国的な問題でもある分、町内では少ない人数で確立できる形づくりが大切だと話す。
「今後、人手が減り、行事の役員など一人あたりの負担増加も考えられます。そこで無駄なものはやめ、必要なものは皆で協力し合うのが理想。そのために大切なのは、顔が見えるつながりです。私としては、まずは地元・芋川地区で貢献し、いずれは町の助けになっていけたら」
そこで、地区内では公民館活動などに積極的に携わっている。
「お祭りをやめる地区もあるようですが、私は自分の子どもに見せてあげたい。とはいえ職業柄、練習参加は難しいので、維持には皆の協力が必要です。それぞれが何らかの役割を担わなければいけない。田舎はこのように面倒なところもある分、都会では味わえないことも多くあります。だから皆、仕事や都合があるなかで無理せず、いいつながりをつくっていけたらいいですね。それにより気の合う仲間ができ、いい地域にしていけたらと思っています」
PROFILE
飯綱町芋川出身・在住、1980年生まれ。高 校卒業後、公務員専門学校に通い、2000年、長野市消防局に入局。通信指令課、救急隊員を経て、2017年4月からは再び通信指令課に配属。飯綱町では町庁舎建設検討委員と議会だよりのモニター、地区の公民館役員を務める。8歳の長男、5歳の長女、1歳の次女の父。