突き詰めてきたスノーボードの魅力を発信し、
飯綱町でもウィンタースポーツを盛り上げたい。
小布施町にあるスキー、スノーボードのジャンプ練習施設「小布施QUEST」。季節や天候を問わず利用でき、一年を通じて全国から多くの人が集まっている。その施設管理をしつつ、全国の系列施設の立ち上げも担う田沢豊さん。広い活動を通じ、ウィンタースポーツの魅力を伝えている。
ムービーの世界で活躍
雪上感覚で滑ることができ、エアマット上で安全にジャンプを楽しめる小布施町のスキー、スノーボードジャンプ練習施設「小布施QUEST」。常駐のプロライダーからは無料でアドバイスも受けられ、県内外から多くのスキーヤーやスノーボーダーが集まっている。
この施設で設立当初から施設長を務める田沢さん。昔からスキー競技のスラロームをやっていたが、中学生の時にジャンプや回転、人工物の上でのスライドなど多彩な表現ができるスノーボードと出合い、自由度の高さに夢中になった。そして23歳でスポンサーが付き、プロスノーボーダーに。主に国内大手のスノーボードムービープロダクション「ファーストチルドレン」の映像に出演し、毎月専門誌にも掲載され、スポンサーが増えていったという。
恩返しの思いで施設長に
分岐点が訪れたのは30歳の時。長男が誕生し、安定した職業への転身を考えている時に「ファーストチルドレン」の社長が現在の練習施設を立ち上げると聞き、自ら施設長をやりたいと名乗り出た。
「やはり、今まで突き詰めてきたスノーボードからほかの職業への転身は考えられず、恩返しの意味も含め、スノーボードをさらに発展させていきたいと思いました」
こうして2010年に施設がオープン。全国2番目の練習施設であり、ムービー制作によるプロモーションにも力を入れていたため、九州からも人が訪れたという。
「こんなふうに、ウィンタースポーツはいろいろな人と知り合えるのが魅力。この施設にも全国から人が訪れ、ここで仲間ができたという声も多く聞かれます」
今は施設管理だけでなく全国の系列施設の立ち上げを任され、各地を飛び回る田沢さん。
「数カ月かけ立ち上げた施設にお客さんが入った瞬間は、アドレナリンが出てやりがいも大きいですね」
こうした活動を通じ、ウィンタースポーツをもっと盛り上げることが田沢さんの希望だ。地元、飯綱町でも、いいづなリゾートスキー場を中心に盛り上げていきたいと話す。
「毎冬、パークプロデューサーの岩村和彦(前号掲載)と、いいづなリゾートスキー場のパークを作っています。やはり、慣れ親しんだスキー場には発展してほしい、なくなってほしくないという思いです」
純粋にウィンタースポーツを愛し、その楽しさを伝えるために前進する田沢さん。そのぶれない姿勢は、きっと飯綱町の冬の魅力発信の活力につながっていく。
PROFILE
飯綱町福井出身、長野市在住。1979年生まれ。23歳でプロスノーボーダーとなり、ムービープロダクション「ファーストチルドレン」所属。国内外の山を滑る。2010年「小布施KINGS」の立ち上げに携わり、施設長に。2013年「KINGS」のフランチャイズから独立して「小布施QUEST」設立。現在は全国の「QUEST」系列施設立ち上げにも携わる。