トップいいづなびとIIZUNA 100 PROFESSIONAL PEOPLEつくり手046 フローリスト 高野のぞみさん

IIZUNA 100 PROFESSIONAL PEOPLE

046 フローリスト 高野のぞみさん

高野のぞみさん.jpg

植物や花に関わらず、自分の経験を生かして
さまざまな形で町に携わりたい。

英語とフラワーアレンジを学ぶために渡英し、結婚を機に7年ぶりに帰国した長野で自然の素晴らしさを再認識した高野のぞみさん。現在は飯綱町で暮らしながらフローリストとして活躍する傍ら、町内で自らの経験を生かす機会も探している。

イギリスで語学と花を勉強

 自然や植物が好きで、レコード店で働きながら、趣味で作る多肉植物の寄せ植えを生花店で委託販売していた高野さん。2008年、仕事もひと区切りがついたことから、語学と花の勉強のために学生時代から憧れのイギリス・ロンドンに留学。学校で基礎を学んだ後は、生花店のアルバイトで専門用語や接客を覚えていった。その背景には、常に学びの姿勢があったという。
 「英語ができないハンディキャップがあったので、常に自分が一番下という意識で皆が嫌がる掃除などは率先して行い、わからないことは積極的に聞いて教えてもらいました。苦労も多く、泣くことも多々ありましたが、外国暮らしは努力と経験が大切だと実感しましたね」

高野のぞみさん.jpg
ロンドンで働いた2軒目の花屋はおしゃれエリアにあり、ウエディングやファッションショーの仕事も経験。「走りっぱなしの人生だったので日本ではマイペースで働こう」と思っていた矢先に友人から仕事の依頼を受け、以来、口コミで仕事が広がっている。

飯綱は経験を生かせる町

 2015年、以前から友人関係だった現在の夫との結婚を機に帰国。7年ぶりに帰った長野では、自然の素晴らしさに衝撃を受けた。
 「私はいつも自然や動植物からインスピレーションを受けていたので、ロンドンでは山や森に入れないことが残念でした。それが、長野は山が迫る環境が素晴らしくて。さらに、結婚前に夫と飯綱登山をしたら、ここには自分が求めるすべてがあると思ったんです」
 こうして、現在は夫の実家がある飯綱町で暮らし、フリーのフローリストとして活躍するほか、友人のカメラマンとヘアメイクアーティストと三人組ユニット「SYN.Inc」を組んでウエディング写真などを屋外で撮影するロケーションフォトに取り組んでいる。

高野のぞみさん.jpg
高野さんのアレンジのこだわりは、相手の希望にちょっとパンチを効かせた個性的なエッセンスを加えること。庭で育てた花や山から採取した植物を使った季節を感じるアレンジが理想で、「特に飯綱町の人は季節の花で庭づくりを楽しんでいるため、自分にとって最適な場所だと感じています」と話す。

 「ただ、私は肩書きを特に決めていなくて、自分自身が仕事だと思っています。だから、植物や花に関わらずいろいろな形で町には携わりたいですし、飯綱町は自分の経験が生かせる場所だと感じています」
 現在は、地元工務店、ツチクラ住建でインテリアグリーンのコーディネートも担当するほか、飯綱東高原の貸別荘を利用する外国人の通訳なども手伝っているが、さらにこの町では古民家の使い方やジャムなどの商品の見せ方もアドバイスができるのではないかと高野さん。
 「飯綱町は素晴らしいところで、面白い人も多く、感性も磨けて移住には最適の場所です。なので、今のままではもったいない。洗練されたエッセンスや新しいアイデアをミックスしたら、もっと素敵になると思います。そのためにも、もっと町民が町に対して柔軟に意見を言えたり、町の事業に積極的に関われる機会があれば面白いですね」
 提案したいアイデアはごまんとある、と高野さん。力強い言葉には底知れぬパワーがみなぎっていた。

 

高野のぞみさん.jpg
クラブDJとしての活動も行っている高野さん。9月と12月には長野市のクラブ・Music & bar FAMEで「the ORIGIN」というイベントを開催。ほかに、海外の料理をふるまうイベント「旅するバーバラ」も企画。「飯綱町でも依頼があればやりたいですし、地元野菜を使ったフードフェスも面白そうですね」

PROFILE

長野市出身、飯綱町袖之山在住。植物好きが高じ、2008年、語学とフラワーアレンジの勉強のためにイギリスに留学。語学学校へは3年間通い、フラワーアレンジは基礎を学んだ後は花屋のアルバイトで技術や接客を習得。2014年に一時帰国し、友人だった飯綱町の男性との結婚を決意。2015年、帰国し結婚。現在は元ログハウスビルダーの夫が建てた家で愛犬とともに暮らす。

カテゴリー