若者が元気で盛り上がれる町であるよう、
陰ながら行事を支えて盛り上げていきたい。
地元の北部高校卒業後、飯綱町役場に入職した高橋尚太さん。現場を大切にした仕事で地域の人のつながりが広がり、行事やイベントにも積極的に参加するなかで、若者が流出する飯綱町の盛り上がりを支えている。
住民の要望に親身に対応
町全体に関わる大規模な仕事から、直接住民に関わり困っている人を助ける仕事まで、幅広い業務に携わる役場の仕事。そんな飯綱町役場の若手職員として勤続11年目となる高橋さんは、地元の北部高校在学中に部活動で野球に励み、先生の勧めもあって役場に入職した。住民環境課や建設課、教育委員会などを経て、今年から現在の産業観光課耕地林務係に異動。農家の要望を聞きながら、農地の水路などを工事したり、農地の災害復旧の対応を行っている。
「農家さんから電話でよばれて現地に行くことが多いのですが、相手が何に困り、どうしてほしいのかはしっかりと会話から見つけるようにしています。話すうちに主題から逸れてしまうこともありますが、意識して要望を見つけ出し、要望がうまく掴みきれない時は具体的に相手に聞くようにしています」
こうして住民に寄り添い、親身になって正直な姿勢で相談に乗るのが高橋さんの持ち味だ。それにより町内で知り合いも増え、「ショータ」と名前をよばれたり声をかけられる時はうれしいという。
「小さい頃からずっとこの町で育ち、地元高校に進学して就職も役場なので、ほかの地域を知らないんですよね。それでも、ずっとこの町にいるということは町のよさを感じているからだろうし、やはり町内で知り合いが増えることが一番の喜びです。40~50代の飲み仲間もいっぱいいます(笑)」
陰で町の生活を支えたい
近年は農家の高齢化が進むなかで、水路などの農業施設の管理がしやすくなるよう、水門の自動化も計画しているという高橋さん。
「役場の仕事は『やってもらって当たり前』という認識があるなかで、役場のおかげで暮らしやすいと思っていただけたらうれしいですし、やはり『ありがとう』と言われるとやりがいを感じますね」
そんな高橋さん。地区の行事やイベントにも積極的に参加している。
「僕が住む福井団地は伝統行事が少ないこともあって、飲み仲間のつながりから倉井地区の秋祭りに参加しています。最初は断りきれなかったのが正直なところですが、やっていれば新しい仲間もでき、楽しいですね」
そうしたなかで感じるのが、町の若者の減少。若者が元気で盛り上がれる町になったら。そう願い、陰ながら行事を支える高橋さん。その姿に、縁の下の力持ちともいえる公務員の頼もしさを感じた。
PROFILE
長野市出身、5歳で飯綱町福井団地に移住し、在住。1988年生まれ。2007年、北部高校を卒業し、飯綱町役場入職。住民環境課に3年、建設課に4年、公民館・教育委員会に3年配属され、2017年4月より現職。プライベートでは倉井地区の秋祭りに参加するほか、2016年から町内の少年野球チームのコーチも務めている。