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IIZUNA 100 PROFESSIONAL PEOPLE

043 ガラスクラフト作家 サトウカヨさん

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自分で仕事を作って、住みたい場所に住む。
それができている飯綱町に感謝しています。

バーナーワークでガラス雑貨を制作しているサトウカヨさん。北海道から飯山市を経て、2016年に飯綱町の別荘地に移住した。充実した制作環境のなかで自分が納得できる美しい作品を生み出し、さらに作品の付加価値を高め、発展させることを考えている。

独学でガラス制作を習得

 ガラスクラフト作家として活躍するサトウさん。約15年前に北海道から飯山市に移住し、WEBデザインやパソコンのインストラクターを生業にしていたが、ある時テレビ番組で見たガラス工芸に興味をもち、独学でガラス雑貨を作るようになった。
 「最初はバーナーの火の着け方もわからず、うまくできずに何度も挫折しかけましたが、それでも奮起し、ここ4~5年は思うようなものができるようになりました」
 こうしてガラス制作を本職に。オーダーは受けず、美しいと思うものだけを作ることにこだわり、現在はクラフト展への出展をメインに、県内外のショップでの販売も行っている。
 「あくまでも創作活動としての制作を続けたいと思っています。一人でできる範囲に留めているのは身の丈に合った生活をしたいから。自分で作って自分で売りに行くスタイルをできるだけ長く続けていきたいです」

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室内の一角をアトリエにし、軟質ガラス(とんぼ玉などで使用される工芸用のガラス)をバーナーで溶かして制作を行う。火力と空気量の調節によってガラスの溶ける速さや輝きが異なるため「加減」を身につけるのに苦労したそう。
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作品のインスピレーションは空想の世界から受けとるそう。今年は青森から三重まで各地のクラフト展約16箇所に出展。取扱店は県内の複数店舗のほかに、富山や群馬、北海道でも行っている。出展予定はHPに記載。

納得の住処を求めて移住

 2016年に飯綱町の別荘地に移住。飯山市では借家だったため、自分の住処をもちたいと考え、インターネットを使って探したという。
 「人里離れたところを探しました。ここは周囲を見晴らせるベランダがあり、坂道に建つ立地や高い天井も気に入って即決しました」
 制作環境がいいと話すサトウさん。高原地帯で気温が低く涼しいため、飯山市ではバーナーを使うことで40℃を超えていた室温も、今は30℃を超えないそうだ。
 「この場所に巡り合えたことは、とてもラッキーでした。飯綱町に『受け入れてくれてありがとう』と感謝しています」
 そうしたなかで力を入れているのが、数年前から始めたインスタレーション(空間演出のオブジェ)の制作。ガラスの粒とワイヤーを使ったもので、今後はただ作品として展示をするだけでなく、クリニックやサロンの待合室などに飾ることで、ゆっくりとした時間を過ごす空間をつくり出したいという。
 「私の作ったものが治療の一部にはならなくても、気持ちを落ち着けることに役立つなど、付加価値を与えられるアイテムになったらうれしいです」
 飯綱町内でもそうしたアイデアに賛同してくれる人とのつながりを大切に、仕事の広がりをもちたいと話すサトウさん。町の穏やかな制作環境がまた、サトウさんの作品にさらなる相乗効果をもたらすことだろう。

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店舗などでの装飾に興味を持ってもらえるようになってきたので費用や施工の面でも取り入れやすいような仕組みを考えていきたい。

PROFILE

北海道札幌市出身、飯綱町高坂在住。1970年生まれ。19歳からスキー関係の仕事に就き、よく訪れていた長野県内でも寺が多い仏壇通りの不思議な街並みに惹かれ、30代前半で飯山市に移住。2007年、独学でバーナーワークを始め、翌年からクラフト展へ出展。2013年、ガラスクラフト作家を本職に。2016年1月、飯綱町に移住。

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