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038 たねcafe 革工房種 大日向志保さん

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飯綱町の人ともつながり、いろいろな人が
出入りできるお店になったら楽しい。

スノーボードが好きで田舎町に住みたい思いから夫婦で信濃町に移住し、カフェをオープンした大日向志保さん。6月には飯綱東高原で野外イベントを開催。「楽しいこと」を軸に、育児も店づくりもイベントも満喫している。

手作りのカフェオープン

 静岡県から長野市に移住し、病院で働いていた大日向さん。2009年に結婚し、夫婦ともスノーボードが好きだったため、雪深く静かな信濃町に移住した。
 「知り合いに紹介された家が元農機具屋の建物で、夫は『いつか趣味の革細工店を開きたい』と話していたので、私も『定年退職したらカフェを』と思っていたのですが、その年まで働くのはもったいない気がしてきて。『やりたいことをやれば』との夫の後押しで仕事を辞める決意をしました。勢いでしたね(笑)」
 こうしてふたりで改装を開始。手作りにこだわり、知人の家や倉庫の解体現場に出かけては廃材や家具をもらい、2年ほどかけて完成させた。そして、長男の出産を経て、2013年にカフェをオープンした。

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国道18号線沿いの店舗。移住者は少ない地域ながら近所付き合いは大切に考え、夫婦で会合に参加した。「困ったらお互い様なので、つながりを大事にしています」

 「料理も手作りにこだわり、添加物を使わず地域の食材で子どもが安心して食べられるもの、何度も試作し自信をもっておいしいと思うものを提供しています。地域の野菜は本当に素晴らしく、見ているだけでワクワクして楽しいですね」

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食事提供に使う食器は長野養護学校の生徒が作ったもので、大日向さんがかつて医療系の仕事だったことから彼らの役に立てないかと、大きさや形を依頼して作ってもらった。店内ではこの食器のほか、手作りパンや夫の革細工も販売。

広げたい飯綱町との縁

 今年6月には飯綱東高原オートキャンプ場で野外イベント「キャンドルナイトマーケット」を開催。
 「飯綱の素晴らしい環境をずっと使いたいと思っていて、キャンプ場を管理する『オーガニックリゾート』で働く友人と、クラフト市とフリーマーケットを合わせたような、ゆったりしたイベントをやろうと盛り上がって。『キャンプ場にはキャンドルが合う』とか想像しながら(笑)」
 当日は雨だったものの途中で止み、キャンドルが灯る素敵な雰囲気で、出展者からも参加者からも好評を博した。来年も開催予定だと話す大日向さんの今後の展望とは。
 「昨年は次男の出産で1年休業し、今は子ども中心の生活なので、例えば、いつか店を開きたいけど今はできないママさんや、飲食業に興味がある人などとつながり、この店を交代で営業できたらいろいろな人が出入りできて楽しいと思っています。飯綱町でも手作りにこだわりたい方がいたらお話したいですね」
 名は体を表すように、太陽のような明るさをもつ大日向さん。弾ける笑顔から、飯綱町でも楽しい広がりが生まれそうだと感じた。

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「キャンドルナイトマーケット」は知り合いに声をかけ約30店舗が出展。キャンプファイヤーやアコースティックライブなども行われた。「人に迷惑はかけたくなかったのでお金はかけず手作りにし、フリーマーケットは『大好きだけど使わなくなった物を集めたこだわりのフリマ』をテーマにやりました」

PROFILE

静岡県出身、信濃町在住。1979年生まれ。東京の医療系専門学校を卒業し、長野市の病院に就職。2009年、結婚を機に信濃町に移住。2011年に退職し、1年間須坂市のカフェに勤務、その後長男出産。2013年、自宅1階で「たねcafe 革工房種」オープン。2016年、次男出産のために1年間休業し、2017年7月、営業再開。

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