飯綱町でもエアプランツに興味をもつ人とつながり、
面白い取り組みができればいいですね。
土がなくても育ち、手で触れられる不思議な植物・エアプランツに魅了され、 本業の左官業をやりつつ、ハウスでの栽培を始めた石坂洋介さん。 今年から妻の久美さんと屋号「mizukazehikari」を立ち上げ、 出店・販売活動をスタートした。
収集から栽培、販売へ
土を必要とせず、葉から空気中の水分を吸収し成長するエアプランツ。近年はインテリアとしても人気が高い。そんなエアプランツに魅了され、収集を始めた石坂さん。
「まずはとにかくインターネットで育て方を調べました。一般的な植物と違って水のあげ方が独特で、人によって育て方も少しずつ違うため、手探りでいろいろ試しました」
コツさえ覚えれば難しくないものの、最初は枯らすこともあった。
「自分のなかで手応えを感じられる方法にたどり着くまで2年ほどかかりました。植物はよく見てあげるしかなく、特にエアプランツは成長が遅いのですが、日々気にかけていると些細な成長に気付いたり、植物の状態がわかるようになってきましたね。今は順調で、花が咲いて子株を出し、増えていくのが楽しいです」
今後はイベント出店に注力
今年からイベント出店も開始。飯綱町に友人が多い縁もあり、6月には飯綱東高原で行われた「キャンドルナイトマーケット」にも出展した。だが、認知度の低さからか、なかなか購入に至らなかったという。
「興味をもってくれる人もいましたが、その先が難しい。育て方は独特のクセがあるので楽ではないものの、一回、解釈できればそう難しくはありません。ただ、インテリアとしての飾り方の提案は課題ですね」
今は岩や木に着生するエアプランツの自然環境をイメージし、拾ってきた流木と組み合わせたオブジェを作っているが、今後はそうした工夫に加え、さらにイベント出店に力を入れて人との関わりも深め、飾り方も提案していきたいと話す。
「飯綱町の人からはいつも、地域のつながりの強さや町おこしに向かう結びつきを感じます。そこで、僕は自分から積極的に話しかけるタイプではないのですが、飯綱町でもエアプランツに興味をもってくれる人とつながり、喫茶店や美容院に置かせてもらうなど、なにか面白い取り組みができればいいですね」
そして、現在は左官業が本職ながら、いつかは栽培家を専業に、と望む石坂さん。
「そのためにも、まずは知ってもらうこと。そこからですね」
PROFILE
洋介さんは長野市鬼無里出身・長野市上野在住。1979年生まれ。左官職人。両親と長野の物件を中心に左官を行いながら、約5年前からエアプランツ栽培を開始。久美さんは長野市出身、1982年生まれ。一般企業で働きながら、洋介さんのエアプランツ栽培をサポートしている。