トップいいづなびとIIZUNA 100 PROFESSIONAL PEOPLE教育022 NPIC長野体育指導センター体育指導員 松木 靖さん

IIZUNA 100 PROFESSIONAL PEOPLE

022 NPIC長野体育指導センター体育指導員 松木 靖さん

松木 靖さん.jpg

子どもたちのよりよい経験のために
飯綱町の資源を活用したい。

体育教師を目指すなかで、「たくましく生きる力を育てる」を理念に掲げるNPIC長野体育指導センターの存在を知った松木靖さん。現在は体育を通じて子どもたちの人間力を育て、その一環として飯綱町での活動の展開をめざしている。

 「自分の仕事は天職」と自信をもって言える人はどれほどいるだろう。体育指導員として幼児や小学生に体育を教える松木靖さんは、屈託のない笑顔でそう話す人だ。
 山梨学院大学商学部に進んだものの、将来は保健体育教諭になろうと国士舘大学体育学部に編入した松木さん。教授の紹介から現在の会社を知り、職場見学を通じて子どもを教える楽しさを実感した。会社は新卒採用を行っていなかったが、まずはアルバイトで子どもたちのスキー合宿に参加。大学卒業後は就職浪人をしてでも社員の空きが出るまで待とうと決意したところ、卒業直前に会社から採用の声がかかったという。
 現在は入社12年目。午前中は県内各地の私立保育園や幼稚園で体育を教え、午後は会社主催の体育教室を開く。そのなかで松木さんが目指すのは、困難があっても乗り越えられる子どもを育てること。
 「今は世の中が便利すぎて子どもたちの人間力が落ちています。自分の力だけで困難を乗り越えるのが難しい場合は、仲間をつくるためにコミュニケーション能力を培うなど、どんな形であれ諦めない力をつけてほしいんです。道はひとつじゃないですから」
 そこで、一人ひとりに合わせた指導や言葉がけで子どもたちに選択肢を与えている松木さん。保護者には「自分のように、あまり他人の顔色をうかがわない人間もいる」というひとつの例として捉えてもらうように話しているという。

松木 靖さん.jpg
指導内容はマット運動や跳び箱、ドッジボール、鉄棒など、学校体育全般。そのなかで松木さんは指導者ではなく人生の先輩として「いけないものはいけない」と伝えているという。

 「信念が通せなくなったら仕事をしている意味がない。だから、何かあればいつでもやめる覚悟でいます。それほど仕事は楽しいですね」
 そんな松木さんが今考えているのは、子どもたちによりよい経験をさせるために、生まれ育った飯綱町の資源を活用していくこと。
 「たとえば霊仙寺湖でキャンプやファミリーランを開催したり、町内の農家と連携してりんご狩りや稲刈りなどの体験をしたり。うちの会社は県内で徐々に信頼をいただけていると感じているので、人も集められるようになってきていると思います。それに対し、町がバックアップをしてくれたら活動はしやすいですし、町の潤いやPRにもつながるでしょう。とにかくWin - Winの関係を考えています」
 今は少しずつ観光協会との連携を始めているが、今後は体験型キャンプや野外活動の実践者、農家や直売所で働く人などともつながっていきたいという。
 「田舎のいいところは助け合えるところです。だから、こうして信頼関係を深め、少しずつつながりを広げたいですね。やりたいことはいっぱいありますが、まずつながらないことには始まりませんから」

松木 靖さん.jpg
子どもたちがチャレンジをしてできるようになる喜びや達成感を分かち合えるのが、松木さんの仕事のやりがいだという。常に冗談をとばしながらも仕事について熱く語る松木さんから、子どもたちに慕われている様子が伝わってくる。

PROFILE

飯綱町東黒川出身・在住。1983年生まれ。長野商業高校を経て、山梨学院大学商学部に進学。2年次に国士舘大学体育学部編入。中学・高校の保健体育の教員免許取得。同大4年次に有限会社長野体育指導センター(NPIC)にアルバイトで少しずつ関わるようになり、2006年、入社。平日は北信から南信まで保育園・幼稚園で指導をしている。

カテゴリー