僕らのような若手が町を盛り上げ、
継続的な企画を考えることが必要です。
長野市のホテル国際21を会場に、毎回数百人を動員する出会い系音楽イベント「ワイワイパーティーBOA SORTE(ボアソルチ)」。実行委員長の平井敬二さんはその実績を評価され、最近では長野県庁での婚活イベントの企画なども依頼されている。
生涯未婚率が上昇中の日本。「出会いがない」という声も聞かれるが、そんな嘆きを吹き飛ばす勢いで毎年開催されているのが、長野市最大級の音楽イベント「ワイワイパーティーBOA SORTE」だ。気軽に出会いを楽しめるパーティーとして17回の開催を数える。
その実行委員長が平井敬二さん。老舗建材商社「炭平コーポレーション株式会社」の営業社員として働く傍ら、イベントの企画から、芸能人や有名DJなどのゲストのブッキング、スポンサー集めも担当。ホテル国際21を会場に、これまでに最高700人もの動員を記録した。
もともと友人の多さから合コンの開催を頼まれることが多く、「だったら全員を集め開催しよう」と2005年に始めたのがきっかけ。最初の参加者は50人ほどだったが、開くたびに人数は増え、4年で今のスタイルを確立した。その活動は仕事にもつながり、取引先の社長から「従業員がパーティーに行った」と声をかけられ仕事が入ることも。また、企画のノウハウを同社の展示会「すみへいフェア」でも生かすなど、イベントのネットワークも仕事に反映している。
「イベント当日の楽しさと、いろいろな人との出会いがモチベーションになっています。それに、先日は長野県庁で開催された100人規模の婚活イベントの企画も頼まれました。そういう県単位の依頼も入るようになったのはやりがいですし、仕事にもつながっているので社長も黙認してるんだろうな(笑)」
そんな平井さんは、出身地の飯綱町についても熱い思いを抱く。
「将来は実家近くに家を建てるつもりですが、やはり町の人口減少は避けられないので、僕らのような20〜30代の若手が盛り上げていかないとダメだと思います。そのためには若者のまとまりを町でつくり、継続的に観光客や移住者が来てくれるような町の特色を生かした企画を考えないといけないですね」
そこで、牟礼駅周辺の活性化やいいづなリゾートスキー場の活用、各学校との協力による子どもが住みやすい環境づくりなどが大切だと話す平井さん。また、クリエーターなどの起業支援や多様な働き方を受け入れる企業のPRなどを通じてI・Uターンを促進する福井市の事業「未来につなぐ ふくい魅える化プロジェクト」の仕組みは町でも生かせるのではないかという。
さすが、普段からイベント企画のためにさまざまな情報にアンテナを張っている平井さん。そのアイデアは豊かだ。実は5期にわたり牟礼村長を務めた平井博文さんの孫でもあることから、将来は飯綱町の政界へ? そう尋ねると「まだまだ遊んでいたい」との答えが。しかし、その笑顔には頼もしさがにじみ出ていた。
PROFILE
飯綱町平出出身。1982年生まれ。片道4kmの通学路をサッカーボールを蹴って登下校するサッカー少年として育ち、松商学園、城西大学進学後もサッカー部に所属。卒業後は地理歴史科の教員を目指していたが断念し、23歳でイベント企画を開始。26歳で炭平コーポレーション(株)入社。現在は3歳と1歳の娘の育児にも励んでいる。