育児中の女性でもできる仕事を創出して
飯綱町を盛り上げたい。
企業電話応対コンテスト日本一の経歴を誇り、さまざまな資格を取得して企業でのマナー講師などを務める瀧野良枝さん。飯綱町内の仕事で出会った森良子さんと働く現在は、県内外を飛び回りつつ、町内で子育て中の女性の雇用創出を目指し、日々邁進している。
企業向けマナー研修や電話応対技能検定、イベントやブライダルの司会など、多彩な事業を展開する長野市の「株式会社I ELLE(アイエル)」。講師の瀧野良枝さんは、隣県も含め各地を飛び回っている。
もともと独立志向が強かった瀧野さん。20代後半で会社を退職し、多彩な資格を取得した。その後、企業電話応対コンテストで日本一になったことでメディアで注目され、マナー研修やラジオCMのナレーション、イベントの司会等も頼まれるように。そして、結婚を機に移住した飯綱町のアナウンスの仕事で、ブライダルの司会業を営む森良子さんと出会い意気投合。当時、瀧野さんは生後3カ月の子連れで働き、森さんはその頼もしさに惹かれ、瀧野さんを仕事に誘ったという。
こうして森さんと働き始め、2011年、「I ELLE」が電話応対技能検定(もしもし検定)の実施機関に認定された。当時は県内初の民間認定機関だったことから、大手企業からの依頼が増え、仕事はさらに多忙に。また最近は、県内では珍しい「サービス・インスペクター(覆面調査士)」の資格を生かして行う覆面調査の仕事が人気を集めている。これは、たとえば宿泊施設などに一般客として宿泊し、施設のハード面とソフト面を調査するもので、瀧野さんは町内で子育て中の女性たちにマナー研修を受けてもらい、自社の調査員として活躍してほしいと願っている。
「当社はマナー研修を受けた質の高い調査員が多いことを売りにしたいと思っています。調査員の仕事はお子さん連れでできるものもありますし、ご自身の都合に合わせてスケジュールを組めるので、いずれは町内で育児中の女性の働き口となり、町を盛り上げたいですね」
同社なら従業員が増えれば手が空いた人が子どもの面倒を見られ、瀧野さんも森さんも育児経験があるので、子どもの急な発熱などは理解できる。それに瀧野さん自身、現在は3児の子育て真っ最中。そのなかで仕事も育児も楽しむモチベーションになっているのが「何でもやってみよう」という好奇心だ。
「仕事を通して人生を楽しんでいます。覆面調査も『やりたい』と森さんに伝えたら背中を押してくれ、事業を拡大できました。それがこの仕事の面白さですね」
そんな瀧野さんのもとに多くの人が集まるのも、生き生きと働く姿に元気をもらえるからだろう。その笑顔はどこまでも明るい。
PROFILE
山ノ内町出身、飯綱町芋川在住。1974年生まれ。長野市内の大手建設会社の受付として働き、20代後半で退職。2005年、企業電話応対コンテスト工業・公益部門最優秀賞受賞。2009年、飯綱町の仕事で森さんと出会った。現在、9歳、7歳、3歳の子を持つ母でもあり、平日はマナー研修、週末は司会業をこなしている。