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IIZUNA 100 PROFESSIONAL PEOPLE

098 写真家・映像作家 mdm productions 山下継一さん

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飯綱町では、北信五岳も限りなく奥まで進める。
一生かかっても時間が足りないくらい雪山は楽しい。

スノーボード好きが高じて長野に移住し、現在、勤めに出ながらも「mdm productions」の屋号で映像制作や撮影業務もこなす山下継一さん。2014年に飯綱町に移住しライフワークとしてこだわりの映像制作を続けている。

雪山と撮影に魅了され

 この本でも撮影を担当している山下さんは、雪山の映像制作を得意とするカメラマンだ。高知県出身。県唯一のスキー場のふもとで育ち、バイク好きが高じて、高校卒業後は三重県の本田技研工業鈴鹿製作所に就職した。しかし、20歳で出合ったスノーボードにのめり込み、冬は有休を利用して週の半分は雪質のよい長野県で滑るように。雪山関係の友人も増え、20代後半にはスノーボードの映像制作に熱中するようになり、2000年に自身のレーベルを立ち上げ映像制作にのり出した。
 「ひとつの作品を作り上げることに面白さを感じ、試行錯誤で撮影を覚えていきました」
 そして、とにかくスノーボードに集中したいと、30代前半で本田技研を退職。長野に移住し、時代の流れからDVDの販売数が落ち込んできても、映像制作は続けた。
 「もっといいものを作りたい、もっと山奥に行きたい。それは、もうライフワークですね」
 次第にゲレンデではなく静かな環境で自然と一体となって滑りたい思いが強くなり、撮影もバックカントリーがメインに。そして2014年、約4年間かけて5人のスノーボーダーをドキュメンタリー風に追いかけ、一人ひとりのスノーボードライフのあり方をまとめた「InMy Life」をリリースした。
 「自分がもてる時間で妥協せず作ったら、4年かかってしまいました。今は6年ほどかけて別作品を作っていますが、最高の雪と光のなかで滑りたいので、何週間もかけて準備し、神経を集中させてタイミングを待つことを繰り返しています。追求心や情熱が止まらないですね」

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「家から見える斜面の滑走は志賀高原方面までだいたいの山を制覇した」と山下さん。なかでも北信五岳は地形が面白いそうだ。映像制作で心がけているのは、崖のような斜面を滑りながらも興奮をあおるのではなく、リラックスした状態で観られるものを作ること。自分が何度も観たくなることも大切にしている。右下の写真の滑走は「In My Life」出演の袖之山在住の高野康史さん。

伝統を映像で残したい

 2009年に恵理子さん(P70)と結婚し、2014年、自然豊かな飯綱町での子育てのために長野市から移住。北信五岳が眺められる東黒川の家を借りた。
 「北信五岳は個性があって面白いんですよ。家からは五岳が全部見え、庭の畑で野菜が作れ、春には桜が咲いて山も近い。すばらしい環境で理想の生活ができています」
 映像関係では以前に航空写真の仕事をしていた関係でドローンの操縦と撮影もできるため、町内の全小学校の閉校記念誌の航空写真も撮影した。そんな山下さんが飯綱町で見据えている映像の仕事のひとつが、伝統文化や技術の撮影だ。
 「町には職人さんや郷土料理の作り手など、すごい技術をもつ人がいますよね。それを将来に向けて映像で残していきたいと思っています。ゆくゆくはオフィシャルでそんな活動ができたら面白いですね」

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DVDをリリースした時は、長野県内外で上映会を含むリリースツアーを開催。フィルムフェスティバルなどにも参加する。2018年2月には、いいづなリゾートのカフェ「CafeLiberty Bell」で「In My Life」を上映した。

PROFILE

高知県出身・飯綱町東黒川在住、1972年生まれ。1990年本田技研工業鈴鹿製作所に就職し、自動車の製造ラインを担当。1992年スノーボードを始め、長野県に通うように。2000年自身のレーベルを立ち上げ映像制作を開始。2003年退職し、三重県と長野県の二拠点生活を経て、2006年長野市に移住。2009年結婚。2014年飯綱町に移住。同年14本目のスノーボードDVD「In My Life」リリース。

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