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097 「UKI」歌・カリンバ・ディジュリドゥ/ピアノ演奏 山下恵理子さん

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飯綱町の自然や環境が曲作りにも
私自身にも反映しています。

子どもの頃から飯綱町の自然に親しみ、その経験を作詞作曲に反映させている山下恵理子さん。バンド「UKI」の活躍を経て、現在はピアノでのソロ演奏やヨガのワークショップなども開催しながら、音楽を続けている。

飯綱の自然が音楽の原点

 「飯綱町の環境が曲作りに大事で、子どもの頃、自然から感じた体験や感覚は今も大切にしています。里山の風景や風、森がなければ、今の自分はなかったと思っています」  民族楽器を中心としたバンド「UKI」で活躍し、現在はソロ活動も展開する山下さん。20代半ば、中学時代の同級生・丸山里奈さん(前号P70)の影響でディジュリドゥ(オーストラリアの先住民アボリジニの管楽器)を吹くようになり、知り合いからイベント出演を誘われたことで「UKI」を結成して演奏をするようになった。すると、次々と出演依頼が相次ぎ、多い月には10本ものライブをこなしたという。  そうしたなかで、立て続けに大きなフェスに出演し、最初はただ楽しんでいた演奏も、自分たちが求められる理由を考えるようになった。  「私たちの曲を聴いて癒やされた、涙が出た、気持ちよかったと言ってもらえ、私たちにはそういう役割があると答えが見えてきました。意味をもって演奏をするようになると、やはり音楽の厚みが変わってくる。気持ちを入れるほど、聴く人の反応も変わってくると感じました」

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カリンバ、ディジュリドゥ、ジャンべなどの民族楽器を中心にしたバンド「UKI」。山下さんは歌とカリンバ、ディジュリドゥを担当。幻想的な雰囲気の音楽を奏でることから、神社、仏閣での奉納演奏の機会も多い。写真右は、2014年に行われた長野市篠ノ井長谷寺秋分祭での演奏の様子。また、同年からは、ヨガインストラクターを務める友人と、生演奏を聴きながらゆったりとヨガを行う「音YOGA」というワークショップを開催。山下さんは即興でピアノを演奏する(写真左)。このほか、出産を経て、食や環境の問題に敏感になった山下さん。子どもの五感を刺激するアートの展示や音楽イベント、映画鑑賞やそれらに伴うお話し会など、楽しさのなかに学びがある企画や交流の場が町内に増えるといいと話す。「『知ること』は、より選択枠を広げることができます。心が喜ぶ選択が大切だと思っています」

音楽で町にできること

 2011年に長女を出産し、2014年に子育てのために飯綱町に戻ってきた山下さん。2016年には飯綱町のキャラクター「みつどん」のイメージソングを作曲した。  「飯綱町で何かできたら、と思っている矢先のお話だったので、楽しく曲作りをさせてもらいました。子どもたちが歌って踊ってくれたらと思って作ったので、今は保育園で踊っていると聞き、微力ながらも町に貢献できてとてもうれしいです」  また、今後は老人ホームでもライブをしたいと話す山下さん。  「私の曲はゆったりしているので高齢の方に聴いてもらうのもいいなと思っています」  そんな山下さんにとって、音楽を続ける醍醐味とは──。  「自分の状況でベストな状態は変わり、自分のなかにあるものも変わっていきます。変化は当然で、新しくなる全ての経験が今の自分と曲を作っている感覚です。少し経ったら、作る曲もまた変わるかもしれません。終わりがないからこそ続けることに意味があると思っています」

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「UKI」では物事が循環していくイメージで、「全ては丸へ」をバンドのコンセプトに掲げている。2018年2月には、いいづなリゾートスキー場一角にリニューアルしたカフェ「Cafe Liberty Bell」で、バンスリ(インドの楽器)とヴァイオリンを交えてライブ演奏を行った。

PROFILE

飯綱町野村上出身・東黒川在住、1979年生まれ。2003年「UKI」を結成。歌とカリンバ、ディジュリドゥを担当し、長野市を中心に活動。2009年ミニアルバム「糸」リリース。同年、継一さん(P72)と結婚。2010年アルバム「環音」リリース。2011年長女出産。2013 年頃より幼少期に習っていたピアノを再開し、ソロ活動開始。2014年、長野市から飯綱町に戻り、東黒川の空き家に転居。同年「音YOGA」開始。2017年長男出産。

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