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096 飯綱町立飯綱病院療養型病棟副看護師長 山岸理恵さん

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やりがいがある看護師の仕事の魅力を伝え、
飯綱病院で働く人を増やしたい。

幼少の頃からの夢だった看護師になり、生まれ育った地元の飯綱病院で働く山岸理恵さん。仕事にやりがいを感じつつ、看護師不足が叫ばれるなかでともに働く仲間を増やすことも目標としている。

大変でもやりがいは大きい

 地域に密着し、町民の医療を支える飯綱病院。勤続14年となる山岸さんは子どもの頃から看護師になることを夢見て、飯綱中学校時代は特別養護老人ホーム矢筒荘でのボランティアも経験した。そして、看護学校を経て、北信総合病院に勤務。2004年、結婚を機に飯綱町に帰郷し、飯綱病院に就職した。
 「地元で働きたい思いは以前からありましたし、公務員として働ける魅力もありました。それに、おばあちゃん子だったので、恩返しをしたい、今度は自分が面倒を見てあげたいという思いもありました」  生死を目の当たりにする仕事は日々緊張感があり、進歩が早い医療分野は常に勉強が必要だが、治療により回復する患者を見たり、感謝の言葉を聞くと「この仕事をしていてよかった」と感じるという。  「看護の仕事はきつい、汚い、危険という3Kと言われ、忙しく大変な面もありますが、それ以上にやりがいがあります。入院患者さんが亡くなる時に、ご家族から『山岸さんがいてくれて安心した』と言われたこともあり、一緒に泣いてしまうこともあります」
 また、ある日、職場体験に来た飯綱中学生から、自宅のポストに「山岸さんのような看護師になりたい」と書かれた手紙が入っていたこともあったのだとか。その時の手紙には、今だに元気をもらっているそうだ。

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忙しい時でも、笑顔と思いやりとやさしさは忘れないように心がけていると話す山岸さん。飯綱病院は患者様を思いやり、穏やかなペースで看護ができるという。また、仕事で辛いことがあっても、看護師は昔からの夢だったので乗り越えられるという。

働く仲間を増やすために

 現在は整形外科病棟から療養型病棟に移ったばかりの山岸さん。病状が安定している要介護者に対し、一緒に散歩をしたり皆でお茶を飲んで会話をするなど、日常生活の延長のなかで看護を行っている。規模が大きな病院では入院期間が限られ、なかなかしっかりと療養の時間を取ることは難しいが、飯綱病院では介護保険を使い、ケアマネージャーや社協とも連携しつつ、一人ひとりの患者に対応している。また、救急患者を決して断らないのも、飯綱病院のよさだ。その分、仕事と育児の両立が難しそうだが、飯綱町は「日本一女性が住みたくなる町」を目標に掲げているため、病院でもある程度働きやすい環境が整備されているという。
 「だからこそ、医療関係者や看護師、薬剤師にはぜひ飯綱病院に来てもらえたらうれしいです。私がこの取材を受けたのも、少しでも飯綱病院で働く人が増えたら、という思いからでした。こうして仲間を増やしながら、『ここがあってよかった』と言われる病院をこれからも目指していきたいです」

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職場は明るい雰囲気で、患者を思いやる温かくやさしい人が多いという。療養型病棟では、寝たきりの人は褥瘡ができないよう体の向きを変えたり、食事を口から食べられない人には注入食を行ったりといった業務も。患者の小さな変化も病状悪化につながるため、日々の観察力が大切だという。

PROFILE

飯綱町普光寺出身・福井団地在住、1978年生まれ。旧姓坂井。1997年、JA長野厚生連佐久総合病院看護専門学校に入学。2000年に卒業し、同系列の北信総合病院に就職。2004年、結婚を機に退職し、飯綱町に帰郷。飯綱病院に就職。産休・育休を経て、現在は2人の子どもを育てながら、療養型病棟に勤務。

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