面白いことをやり続けるモチベーションを大切に、
飯綱町でもいずれは農業を軸にした仕事を生み出したい。
AEとしてエンドユーザーとクライアントの間に立ち、両者の架け橋となって、マーケティング戦略から広告作業に至るまでさまざまな企画立案に努めている村田綾子さん。仕事を楽しむ前向きな姿勢を大切に、他社にはない新たな発想の企画に挑戦し続けている。
村民参加型の記念誌制作
2005年に閉村した旧牟礼村。その際、全戸配付された閉村記念誌の企画を手がけたのが村田さんだ。
「この制作は5社による企画コンペでしたが、自分の村の閉村記念は一生に一回しかないので、幸運にもそんな仕事に携われるからには『絶対取るんだ』と思って臨みました」
そこで、デザイナーやライターとプロジェクトチームを作り、記念誌のテーマを「村民参加型」と決定。制作過程を村民が村を振り返るきっかけにしようと、村内全戸に「私の好きな牟礼村」を尋ねるアンケートを取ったり、地区ごとに掲載内容を考えてもらう案を提出すると、審査員の満場一致で採用された。
「23地区の会議にも出席しました。それが本当に大変で、二度とやりたくないくらい(笑)。でも、役場も一緒に動いてくれ、クライアントも積極的になってくれるといいものができるというのがよくわかりました。それに、一番よかったのは、とある区長さんから『大変だったけど、実際に形になるといい企画で、自分が携われてよかった』と言われたことです。あまり企画自体を褒められることはないので、思わず涙が出ましたね」
農業から新たな仕事を
現在は白馬村や小谷村のスタイリッシュなパンフレットや、白馬村の“無気力な”ゆるキャラなど、インパクトのある広報物をプロデュースしている村田さん。
「プロジェクトをまとめる時は、他の企業が考えてこないような新しいものを作ることに楽しみを感じますし、常に『前作を超えるものを作ろう』というプレッシャーがモチベーションにもなっています」
そんな村田さん、実は現町長の娘でもあることから「将来は町長に?」と尋ねると「町長より社長になりたいな」との答えが。今は兼業農家である実家の畑の後継者問題も踏まえて農業に興味があるそうで、今後は農業を企業のように捉え、同じ土を若い世代が継ぐことに意味があるイメージを生み出すような仕事ができたら、と話す。
「飯綱町でも若い農家さんと出会えると、新しいきっかけができるのかな。そのためにも面白いことをやり続けるモチベーションは常にもち続けていたいですね」
PROFILE
1978 年生まれ。飯綱町平出出身、長野市在住。旧姓・峯村。文教大学卒業後、「作る仕事をやりたい」という思いからカシヨ株式会社に入社。2005年、故郷・旧牟礼村の閉村記念誌の企画・制作に中心的に携わる。2007年、仕事の幅を広げ、いずれは農業にも携わりたいとの思いから株式会社リアルホールディングスに転職。AEとして、多彩な企画・編集・営業に従事。