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090 有限会社飯綱町ふるさと振興公社 そば処よこ亭店長 町田治樹さん

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上質な飯綱町産の粉を使ったおいしいそばを提供し、
そばの産地としての基盤をしっかりとつくっていきたい。

飯綱町でのそばの栽培から販売まで手がけるそば処「よこ亭」。店長の町田治樹さんは、やりがいを感じて働く日々のなかで、そばの名産地として町の知名度を高めるためにもおいしいそばを提供する「よこ亭」の基盤づくりを見据えている。

常連客の言葉が原動力に

 「飯綱町昼夜の寒暖差が大きいので、甘みがのったいいそばが採れる。その粉を使ったそばをおいしいと言ってくれる方の期待を裏切らないよう、常にその時の一番いい状態でのそばの提供を心がけています」
 飯綱町の荒廃地対策としてそば栽培を始めた飯綱町ふるさと振興公社。経営するそば処「よこ亭」では生産から消費まで一貫した販売体制を確立しており、町田さんは現在、店長を務めている。
 もともと家業を継ぐために建設を学び、埼玉県で働いて地元の飯綱町に戻ったが、大手業者の参入により住宅業界が不振だったため、社員を募集していた公社に入社した。観光業に興味があったが、配属されたのは予想外の「よこ亭」。料理も接客の経験もなく、当初は戸惑ったものの、半年ほど経ったある時、常連の夫婦から「あなたの接客がいいから来てるのよ」と言われたひと言で仕事への姿勢が変わった。
 「とにかくその場にいて楽しい、来てよかった思ってもらえる接客を心がけていました。その時の言葉が今まで働く原動力になっています」

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調理も接客もゼロからのスタートだったが、「人に恵まれてきたおかげで今がある」と話す町田さん。以前の店長からは「仕事は見て覚えろ」という職人気質の教えられ方だったが、建設業界でも同様だったため、むしろやりやすかったという。「飯綱町の人は心が温かい人が多く、一緒に働く仲間もすごく和気あいあいとしていて、いい人たちばかりです。だから、店長としては、今働いている人たちを守りたいという思いと、お客さんにとっても働く人にとってもいい環境をつくりたいというのが一番です。そのうえで、よりよいものをつくりあげていけるよう、次につながる土台づくりをするのが私の仕事だと思っています」

常に挑戦できるやりがい

 繁忙期には行列ができる人気店の「よこ亭」。町田さんが担当するのはそば茹でだ。  「仕事は奥が深くて終わりがない。十何年もそばを茹でていると、触った感覚で大体の状態がわかりますが、実際に茹でると思っていたものと違うこともありますし、たまに打つそばは、同じ日でもうまく打てる時と違う時がある。この歳になってもいつまでも修業が続き、常に新たな発見とチャレンジがあるのが一番の面白さであり、やりがいです」
 そんな町田さんが見据えているのは、飯綱町のそばの普及だ。
 「農業を頑張る飯綱町はすごく素敵で、町で採れるそばはとてもいいものなのに、町のそば屋はここ1軒だけ。だから、飯綱町がそばの産地として戸隠のように知名度があがるよう、貢献できることにはどんどんチャレンジしたいです。そのためにも、お客さんにおいしいそばを提供して喜んでもらい、いいものをつくるための基礎をしっかりつくることが私の役割だと思っています」

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「よこ亭」からの風景が好きで、写真共有アプリ「Instagram」に風景写真をアップしている町田さん。「飯綱町がすごく好きなので、町に多くの人が来てほしいと思って写真をアップしています」。埼玉県で5年働いた経験から、飯綱町ののんびりした暮らしや人の温かさは改めて好きなところだと感じているという。

PROFILE

飯綱町牟礼出身・在住、1972年生まれ。家業が建設業だったことから専門学校で建設を学び、埼玉県で建設や土木の仕事に従事。27歳で帰郷し、家業を手伝ってもいたが、先行きが不透明だったことから、2001年、社員募集があった有限会社牟礼村(現飯綱町)ふるさと振興公社に入社。そば処よこ亭の配属となり、半年間の接客を経て、そば茹でを担当。2011年店長に就任。

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