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011 学習塾「いいづなの学び舎」塾長 清水寿彦さん

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教育を通じて
地域に恩返しをしていきたい。

幼少期の野外教育の重要性と地域貢献の思いから牟礼駅前通りに「いいづなの学び舎」を開いた清水寿彦さん。指導を通じて生徒には「生きる力」を身につけさせ、教育を通じて地域の活性化も目指している。

 高校時代に野球に打ち込み、卒業後、高校野球の監督を通じて人間教育をしたいと教育分野に進んだ清水寿彦さん。体格や性格の違いがあるのに、スイングなど同じ練習をすることに疑問を感じていたことから「もっと考え、失敗して学ぶ自由な野球を」との思いで教員免許取得を目指し、ユニークな学生が多い早稲田大学第二文学部に進学した。
 この学部で数々の面白い仲間と出会った清水さんは、自分の中の殻が破れたという。同時に、学習塾の講師のアルバイトでは、受験という壁に立ち向かうなかでも子どもは成長できると発見。いずれは故郷の飯綱町に貢献したいという思いから、町でも設立ができる学習塾の講師を目指すようになった。
 しかし、埼玉の学習塾に就職したものの、生徒を志望校に合格させて評判をあげることを重視する塾の方針に違和感を覚えたという。それとともに、実体験が少ないために想像力が乏しい生徒の実情を痛感していたある日、野外体験で人を育てる学習塾「花まる学習会」の代表・高濱正伸さんに出会った。
 「高濱先生は、9歳(ここのつ)の『つ』がつく年齢までは外で遊ぶ指導をしていて、私もまったく同じ考えでした。しかも、実際にこの学習会の生徒は偏差値が高く、高濱先生の指導法の効果が実証されていたので、私も地元で同じようにやりたいと考えたんです」

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PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを取り入れることで、チームとしての成功を目指す小学生の野外授業。ツリーハウスは生徒たちが協力し合い、PDCAに取り組むことで完成した。

 こうして長野に帰って東信地方の塾で経験を積み、2013年、飯綱町に「いいづなの学び舎」を開設。現在、中学生には各自に応じた指導を行い、小学生には将来に役立つ英語力と算数的思考力を指導しつつ、牟礼西小学校横の古民家を借り、野外授業も行っている。その一環として、町内在住の信州大学工学部生とツリーハウスを建てたり、地域の高齢者から昔の脱穀方法や土器作りを教えてもらったり。こうした指導から、生徒に「生きる力」をつけさせることが清水さんの願いだ。
 「今後、彼らが生きていくなかで自らの道を選ぶ時に、自分で情報を取捨選択するためには生きる力がないと大変だと思っています。だから、その力を養いたいですね」
 また、教育を通じてファミリー層の移住者を増やしたい思いもあり、都会から来た人が自然体験を行うことができる山村留学にも力を入れたいと話す。こうした活動の根底にあるのは「地域への恩返し」の思いだ。清水さんの挑戦はまだまだ続いていく。

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野外授業では地域の高齢者を先生に招き、地域の伝統などを教えてもらっている。また、いずれは野外保育を行う「森のようちえん」も展開したいと清水さんは話す。

PROFILE

飯綱町福井団地出身。1975年生まれ。名門・松商学園で野球に打ち込み、高校卒業後、人生の目的を失うなかで先輩の助言から教員を目指し、早稲田大学第二文学部に進学。卒業後は埼玉や東京の学習塾で8年間勤務し、2010年に長野へ。東信地方の学習塾に2年半勤務し、2013年、「いいづなの学び舎」を開設。

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