販売をきっかけにつながりが広がったので、
受け取った人にも変化が生まれたらうれしい。
長男誕生を機に夫の実家がある飯綱町に移住し、子育てをしながらベビー用品を作り始めた橋詰浩香さん。クラフト市やネット通販を利用しながら販売し、製作と働く楽しさ、人に喜ばれるやりがいを感じている。
物語の世界が広がるよう
「昔々あるところに…」。そんな物語の始まりを予感させるような世界の広がりを手作りのベビー用品から伝えたい、との思いで、自身のオリジナル布小物に「arutoko」と商品名を付け、クラフト市やネット通販で販売をしている橋詰さん。
「子育ては目の前の狭い世界になりがちですが、私も販売を始めたことで人とのつながりが広がりました。受け取った人にも何か変化があればうれしいですね」
こう話す通り、橋詰さんは現在、飯綱町赤塩の夫の実家で大家族とともに2歳と0歳の男の子を育てながら、赤ちゃん用のスタイ(よだれかけ)やブルマを製作している。当初は長男用の市販のスタイになかなか気に入るものがなかったため手作りしていたが、長男が1歳になり外出ができるようになると、働きたいと思うと同時に、手作りの品を販売すれば子育てをしながら収入を得られ、友だちへのプレゼントとしても喜ばれるのではないかと考え、販売するようになった。
「以前は保育士として働き、紙の小物作りが好きでしたし、昔は母が洋服や小物を作ってくれ、自分も子どもに作りたいと思っていました。『arutoko』を始める前に母に相談すると、手伝うと言ってくれたのも後押しになりました」
喜んでもらえるやりがい
現在、スタイはデザインを橋詰さんが考え、縫製は得意な母が担当。ブルマは橋詰さんが手作りしている。クラフト市へは長野市で定期開催される「善光寺びんずる市」のほか、2017年11月には町で開催された子育て中の女性のためのイベント「iママフェスタ」にも出店した。
「やっぱりお客さんに喜んでもらえるのがすごくうれしく、やりがいになりますね」
製作は無心で縫えるのでストレス発散になるほか、同居している家族の支えも大きいと橋詰さん。
「こうして細々とでも続けていき、いつか出店などのチャンスの話が来たら、しっかりつかめるよう準備をしておきたいです」
昔話の物語の結び「めでたしめでたし」となるような巡り合わせに向け、橋詰さんは今できるペースで着実に歩みを進めている。
PROFILE
長野市出身・飯綱町赤塩在住、1989年生まれ。保育士として働き、23歳で将登さんと結婚。2014年、26歳で長男出産を機に夫の実家がある飯綱町赤塩に移住。2016年ベビー用品「arutoko」の製作を開始。2017年からクラフト市やネット通販で販売開始。同年6月次男出産、11月「iママフェスタ」出店。