身近な金融機関として、地域で頑張る人の
お手伝いができたらいいですね。
地域密着型の金融機関として北信地域に店舗を展開し、飯綱町でも親しまれている長野信用金庫(しんきん)。渉外担当として日々バイクで顧客を訪問する寺島大さんは、地域に根ざし、人と人とのつながりを大切にしている。
金融で地域に役立ちたい
「お金に関することで人の役に立ちたいと思い、金融系の就職を目指しました。そのなかで地域に身近な長野しんきんを選んだのは、無意識ながら『いつかは地元に』という思いがあったのかもしれないですね」
こう話す寺島さん。最初の勤務地はまさに地元の飯綱支店で、地域の人から「大ちゃん」と愛称で呼ばれ親しまれたり、商工会青年部で地域の祭りの出店を手伝ったりと、町に根ざした金融機関の温かさを感じたそう。その後、本店営業部と城北支店の勤務を経て、昨年、現在の豊野支店に異動した。
「今はバイクでの外回りが中心で、個人・法人を問わず担当しています。預金や資産運用、融資など『移動するしんきんの窓口』のような形でどんな相談も承り、お客さんの立場に立って本当に望むもの、よい商品のご提案を心がけています。そのなかで私の提案を喜んでもらえると、やりがいを感じますね」
特に住宅ローンや創業などの相談を通して相手と深い話ができ、近い存在になれるのは仕事の醍醐味。
「家を建てるという一世一代の買い物をお手伝いし、諸々の手続きを終え『ありがとう』と言っていただけるのはうれしいですし、起業の相談は私だけでなく、ほかの職員や商工会などの力も借りながら計画を作るので、そこから開業に至るのも感慨深いです。それに、この仕事はいろいろな方と知り合えるので、つながりが広がるのも面白いですね」
地域を影で支えるために
現在は横手地区の実家で暮らす寺島さん。大学時代は京都で過ごし、久しぶりに地元に帰ると、変わらず人は温かく、田舎ながら暮らす環境はとてもよいと感じたそう。
「長野市も近いし、新幹線を使えば東京もすぐに行ける。そういう暮らしやすさを多くの人に知ってもらえたら、町の発展にもつながるのではないかな。それに、宮腰さんなど地域で新しい事業を起こそうとしている若い人もいるので、私はそのために資金面はもちろん、何かお手伝いできたらいいですね」
さらには、密かに地域での夢も。
「人には話していませんが、もともと歴史好きで京都の大学に進学したので、いずれは横手地区の歴史を調べて何か形にできたら面白いですね。実はこの地区は戦国時代に徳川家康に愛知県から追われた人たちが定住したと言われているんですよ」
自分にできることで地域に貢献したいと話す寺島さん。そうした思いの積み重ねが地元を盛り上げていく。
PROFILE
飯綱町横手出身・在住。1986年生まれ。日本の歴史が好きだったことから京都に憧れを抱き、高校卒業後は京都の大学で日本史学を勉強。就職は金融系に絞り、長野県内外で就職活動を展開し、2008年、長野信用金庫に入庫。同時に帰郷。飯綱支店、本店営業部、城北支店にそれぞれ約3年間勤務し、2017年10月より豊野支店に配属。