排水はどこでも必ず出るものなので、
地域で幅広くつながっていきたい。
婿養子として、排水管の高圧洗浄を主に行う妻の家業を継いだ佐藤憲顕さん。飯綱町で暮らし、社長である義父とペアを組んで働きながら、町の商工会にも参加し、地域の輪を広げている。
自然の流れで妻の家業へ
沖縄で8人兄弟の7番目として育ち、派遣会社に勤めたことで長野市に派遣された佐藤さん。職場で妻のあやさんと出会って20歳で結婚し、排水管の高圧洗浄をメインに行うあやさんの実家が営む「クリーンサービスサトウ」に入った。
「仕事内容に興味もあったし、後を継いだほうが将来のためにもいいと思ったので、自分からやりたいと社長に申し出ました。社長も酒が好きなので、飲み交わしながら自然に『一緒に仕事をしていこう』という話になっていきましたね」
同社はもともとあやさんの父・今朝人さんが41歳で立ち上げた会社。アメリカで研修し、ロート・ルーター社の高圧洗浄機を周囲に先駆けて導入した。
「ホースだけでも7種類あって、特殊なうえに、どの機械を使うかも現場で判断しないといけません。現場は毎日違うので、その都度やり方も異なり、初めのうちは苦労しましたね。地域の道もわからず、間違えて社長に怒られたり。覚えるまでは大変でした」
5年ほどかかって一人前になり、現在は大型スーパーやデパート、マンション、店舗、個人宅など、排水管がある場所の仕事は全て請け負っているという。
「油をよく使うラーメン店やファミレスの排水管など、生活排水の詰まり、トイレの詰まり、水道・蛇口の水漏れなどがよくある仕事で、主に高圧洗浄で詰まりを除去しています。特に営業活動はしたことはなく、特殊な仕事なので口コミでの依頼が多いですね」
そうしたなかで佐藤さんが心がけているのは、電話などで呼ばれたらすぐに対応すること。
「排水管のトラブルは緊急事態なので、できるだけ早く現場に向かいます。そして詰まりを解消し、お客さんが喜んでくれることは、やはりやりがいです」
多様な人脈を広げたい
26歳の時には仕事の利便性も考え、あやさんの実家近くに家を購入。長野市から引っ越し、飯綱町商工会や地区の消防団にも入った。
「知り合いに誘われて入ったのですが、やっていくうちに楽しくなって続けています。福井地区の秋祭りにも参加しているので、そういう形で地域に貢献できたらいいですね」
こうして、全て自然で順調な流れで今に至ると話す佐藤さん。
「排水はどこでも必ず出るものなので、業種に関係なく人脈を広げ、地域で幅広くつながっていけたらいいと思っています」
今朝人さんと和やかに働く様子からも、佐藤さんの飯綱町での仕事と暮らしの充実が伝わってきた。
PROFILE
沖縄県出身・飯綱町福井団地在住、1984年生まれ。旧姓玉城。18歳で派遣会社から長野市に派遣され、鉄筋工として勤務。20歳であやさんと結婚し、あやさんの実家で営む有限会社クリーンサービスサトウに入社。26歳で飯綱町福井団地に移住。飯綱町商工会に参加し、地区消防団にも入団した。中1、小5、小2の3人の息子をもつ。