好立地の飯綱町に長野県のバックオフィスを作り、
町内で収支の循環を生み出したい。
輸入自転車卸売業と不動産業で高い売上を誇るサントラストを設立した社長の坂本充弘さん。故郷の飯綱町への貢献と発展を考え、飯綱町でのバックオフィス設置を目指している。
大切なのは市場ニーズ
20人の従業員を雇い、輸入自転車卸売業と不動産業で年間数億円の売上を誇るサントラスト。中学生の頃から「社長になりたい」という夢を抱いていた坂本さんは、顧客ニーズをつかんで売上目標を明確にし、達成に向けひたすら邁進する力に長けた人だ。
大学受験に失敗し、飯綱町から上京。都内で浪人生活を送りながら日本通運で始めたアルバイトが楽しく、社員になった。海外の長期出張も経験。そして、社長になるためには営業経験も積もうと、営業の厳しさで知られる不動産会社「オープンハウス」に入社し、不動産知識がゼロながら無休で勤務し、グループ約8000人のなかで上位の成績を誇るようになった。
こうして27歳で不動産業として独立。ある時、差し押さえの不動産処理をした自転車卸販売業者を助けたい思いから、自転車業界にも参入した。イオンやドン・キホーテなどの量販店とのやりとりから「安い自転車を輸入したい」というニーズをつかみ、中国の展示会で次々と商談。直接買取できる輸入先を見つけ、さらに日通での経験を生かして自社でトラックを所有することで運搬コストも削減した。これにより、相場より格安の自転車を卸す、自転車業界のワンストップサービスを構築。ほぼ敵なしの市場開拓を果たした。
故郷・飯綱町に還元したい
そうしたなか、昔から漠然と生まれ育った飯綱町に何か還元したいと思っていた坂本さん。現在は廃校になった町内の小学校校舎を活用し、長野県のバックオフィスを作りたいと考えている。
「当社には在宅で働いている社員が数名おり、会社に出社しない新しい働き方を実践しています。このご時世では、働く場所は限られておらず、飯綱町で事業をしたいと思っています。また、町内に人が集まれば別の仕事も生み出せる。大事なのは、確実に何をどう売るか。儲けている会社から受注を集約することで、数億円単位の収支が町内で循環する仕組みを作りたいと考えています」
自社物流の面でも飯綱町と関東の直通便を設定すれば、りんごなどの農産物を現状よりも低価格で運搬できるようになるという。
「一定の成果は上げないといけないので、今は一歩ずつ進めています。抱いているのは、町の皆がよくなる仕組み作りができれば、というシンプルな思いです」
PROFILE
飯綱町福井団地出身・東京都在住、1983年生まれ。都内で浪人生活を送りつつ、日通でアルバイトを始め、半年で社員に。全国への重量品輸送を担当。2008年センチュリー21加盟店(当時)の株式会社オープンハウスに営業職として入社。2012年独立し、株式会社サントラスト設立。2014年宅地建物取引士資格取得。2018年1月、長女が誕生した。