女性にも企業にも使いやすい環境を作り、
ワークセンターの利用者を支援していきたい。
育児中の女性の在宅ワークを仲介する「ママLife」。社長の小山真央さんは飯綱町で女性向けセミナーを開催し、それがきっかけとなって「飯綱町ワークセンター」が開設された。現在は同社の坂本佳菜子さんが運営管理を担当している。
地域の要望でiワーク開設
「日本一女性が住みたくなる町」を重点目標のひとつに掲げる飯綱町。2017年5月には子育て中の女性が相談窓口や託児を利用しながら在宅ワークができるスペース「飯綱町ワークセンター(iワーク)」が開設された。この運営管理を任されているのが「ママLife」だ。
もともと社長の小山さんは飯綱町からの依頼で、女性向けのパソコン研修と就職活動での面接方法、育児をしながらの時短メイクといった就労支援セミナーを半年間開催。また、働きたい女性と企業のマッチングイベント(合同説明会)を開き、アンケート結果から、在宅ワークに興味があるものの働く環境が整っていないと感じている育児中の女性が多いことに気付き、いつでも気軽に利用できてスキルアップができる託児所併設の場所を作りたいと飯綱町に提案した。これがiワーク開設へとつながった。
「今までいろいろな行政とやりとりをしてきましたが、飯綱町の人たちの対応は前のめりで、よいと感じたことは本当に実施してくれました。一緒にiワークを作ることができたと感じています」(小山さん)
女性の力を伸ばしたい
iワークの担当になったのが「ママLife」の坂本さん。相談窓口での対応や利用者からの要望対応、施設の周知に向けた子育て支援センターでのイベント企画のほか、育児中の女性に対する求人情報の収集などを行っている。
「利用者の皆さんに快く施設を使ってもらいながら、ここに来ることでメリットを見付けてもらえるような管理・運営を心がけています」(坂本さん)
こうした対応から利用者は着々と増加。小山さんは手応えを感じているという。
「この施設によって生活にメリハリが生まれたとか、自分らしい働き方ができていると話す方がいたり、育児で疲れていた方の表情が明るくなったり。すごくうれしいですね。人の拠り所はこうやってできていくのだと感じています」(小山さん)
このように、働く女性にも企業にとってもよい環境作りができるよう、これからも支援していきたいと話す坂本さん。
「女性同士だからこそ、利用者には仕事に限らず悩みを相談してもらうことで、今後の有効な情報発信やセミナーの開催につなげていきたいと思っています。また、多くの企業にこういう場所や働き方があることを知ってもらうきっかけ作りも考えています。女性たちにはまだ引き出せていない潜在的な能力があると感じているので、うまく伸ばしていくような取り組みをしていくことが、私たちのこれからの目標です」(坂本さん)
PROFILE
小山さんは大町市出身・長野市在住、1983年生まれ。2006年大阪で就職。2010年結婚を機に長野に戻り、2011年出産。育児と仕事の両立の難しさから、育児中の女性の在宅ワーク仲介業の起業を考え、2014年株式会社ママLife設立。坂本さんは山梨県出身・長野市在住、1977年生まれ。13年間、派遣会社で人材の斡旋業に携わり、その経験を生かそうと2017年ママLife入社。同年より飯綱町ワークセンター相談員を担当。