「最近のお気に入りはフランキンセンス(樹液から採れるスパイシーでウッディーな香り)」と教えてくれたのは小林恵さん。生まれも育ちも飯綱町というアロマハンドセラピストです。
アロマを入れたホホバオイルを使って肘から指先までをじっくりマッサージ。施術後は血行が良くなってしっとりポカポカ
アロマハンドセラピストとは、さまざまな香りの精油(エッセンシャルオイル)を使って、ハンドトリートメントを実践する技術者のこと。香りは、人の心と体に働きかけ、健康や美容にも役立つと言われています。
小林さんは、飯綱町ワークセンター(i work)で、2021年12月から行われている「わたしの小商い講座」に参加して、自分の趣味を小さな商売に立ち上げました。この講座は、自分の好きなことやできること、これまでの経験を身の丈に合った「仕事」にしていくため、仲間と学び、カタチにしていく女性向けの全6回の講座です。
アロマオイルやグッズが大好きだった小林さんは、数年前、素敵なアロマのお店に出会って店主さんと話しているうちに、一歩踏み出して資格を取ろうと決意。アロマハンドセラピストの資格を取得し、本格的に「仕事」にしていきたいと考え始めました。
その矢先、町内の廃校活用施設で行われていた「いいコネまつり」にお母さんと遊びに行ったところ、小商い講座のチラシがパッと目についたそうです。「これだ！」と思った小林さんはすぐに申し込みましたが、すでに定員を超えていて参加できるか不安だったそうですが、参加の通知が来たときは期待に胸が膨らんだと言います。
「参加者は初めて会う人ばかりでしたが、みんないい人で、いい出会いだなと感じました」
講座に参加してみると、「想像していた以上に大変だった」と小林さん。やりたいことを具体化して話し合い、ビジネスアイデアにまとめていきます。小さいとはいえ、商い（＝商売）をするわけですから、しっかりと学ぶ必要がありました。
「講座に参加するたびに課題が与えられるんです。一人では煮詰まってしまうので、講座の中で‟相棒“が設けられ、考えがまとまらなくなってしまうと、相棒に相談に乗ってもらい、たくさん助けてもらいました」
ターゲット設定や料金設定、販売方法を練り上げ、講座の4回目は、いよいよ受講生８人がプレゼンテーションすることになりました。
小林さんの小商いのコンセプトは、「アロマの力で癒される」。アロマハンドトリートメントの施術と、アロマワックスサシェの販売を行う事業プランです。屋号は、フランス語で安らぎを表す「repos」(ルポ)と名付けました。
アロマワックスサシェというのは、季節の花とアロマを蜜ろうワックスに閉じ込めたもので、部屋に飾っておくだけで自然に上品な香りを放ってくれます。小林さんのオリジナルだけではなく、お客さまに好きな色や精油、花材をオーダーしてもらえる商品も考えているそうです。
白い粒が蜜ろうワックス。これをアロマオイルと一緒に溶かして型に入れ、ドライフラワーなどで飾り付けます
蜜ろうワックスサシェ（イメージ）
「ミモザやアジサイ、木の実など、色合いと香りの組み合わせは無限大にあります。自分に合った香りのサシェがお部屋にあると癒されますよ」
家にはいつも、お花が好きなお母さんの作ったアレンジメントが飾られているそう。小林さんがアロマに興味を持ったのも、花の香りに包まれたお家と、お母さんの影響かもしれませんね。
そして3月21日は講座の第5回目で、いよいよマーケット(結市)の本番。アロマワックスサシェ「repos」の店主として出店します（※）。
小林さんは、講座が終了したあとに向け商談も進めており、商品を店舗に置いてもらうことや、お店の一角でハンドトリートメントを施術させてもらうことなど、着々と準備しているそうです。
また、アロマのほかにも、パーソナルカラーや色彩心理などにも興味を持って学び続けているという小林さん。「わたしの小商い講座」がきっかけとなり、生き生きと輝く小林さんの姿は、本当にステキでした。何かしたいと思っている女性が、小さな一歩を踏み出して、活躍できる町でありたいですね。
◎わたしの小商い講座
飯綱町ワークセンター（通称：i work）
※【再変更】長野県のまん延防止等重点措置は3月6日までとなりましたが、飯綱町においては、公共施設を利用したイベント等は、3月31日まで中止と要請があったため、3月21日に開催予定だったマーケット「結市」は、4月24日（日）に延期となりました。
