トップいいいいいいづなマガジン秋祭りにかける熱い思い。御所之入地区のこども獅子 <前編>

秋祭りにかける熱い思い。御所之入地区のこども獅子 <前編>

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飯綱町では毎年9月になると、各地区の神社で例大祭(秋祭り)が行われます。地区の皆さんがそれぞれ獅子舞や篠笛、太鼓の役割を担い、神社に獅子献灯(神社で獅子舞の奉納)を行います。夏の終わりから秋にかけては、稽古が行われるようになり、毎晩のようにお囃子の音色が聞こえてきます。
今回は飯綱町芋川の御所之入地区が声をかけてくださったので、稽古にお邪魔してきました。

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御所之入地区では、8月下旬から9月下旬のお祭りの直前まで、毎日のように稽古が行われています。20時から獅子舞やお囃子の稽古、そして21時半ごろからは、山車(通称:神楽(かぐら))や獅子舞に必要な物の修繕・準備をしています。

100年以上も続いている御所之入地区のお祭りは、20台~30代の男性で構成される青年会メンバーが中心となって担っています。そして、子どもが舞う獅子舞もあるのです。
子どもの獅子舞は、飯綱町でも少子化により少なくなってきており、止むを得ず本来は子どもが担っていた部分を、大人が代わりに舞う地域も増えているのだとか。

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そんな中、御所之入地区では、小学1年生から中学3年生まで計5人の子どもの獅子舞(通称:こども獅子)メンバーが、日々稽古に励んでいます。
御所之入地区の子供の獅子舞は、4つの舞で構成されています。
「素手舞(そでまい)」「御幣舞(おんべ)」「鈴舞(すずまい)」「刀舞(かたなまい)」の順で舞われ、振り付けが全て違います。徐々に踊りが難しくなるため、最後の鈴舞・刀舞はこども獅子メンバーの年長の子によって舞われるそうです。

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右/黒岩朔也(さくや)くん(小学1年生)はまだ見習いです。先輩の舞を見て来年に向けて覚えていきます。
中/素手舞・御幣担当の飯田涼聖(りょうせい)くん(小学3年生)。
左/素手舞・御幣担当の竜野樹(いつき)くん(小学3年生)。去年は見習いだったので本番で舞うのは今年が初めてです。稽古は楽しいけれど、御幣(おんべ:和紙の束が付けられた道具)が重いのが大変だそうです。

鈴舞・刀舞担当の小学5年生、相澤湊(そう)くんは今年で4年目。先輩の小林優大(ゆうだい)くん(中学3年生)のことをとても慕っていて、毎年、優大くんに会えるのがとても楽しみだそう。後輩たちに対して優大くんは「普段はふざけているけれど、真剣になるとちゃんとやる」とさすがお兄さんのコメント。今年で子ども獅子は卒業なので、来年から湊くんが一番年上になり、みんなを引っ張っていく立場になります。

最年長の優大くんは鈴舞・刀舞の担当。さすがに何年もやっているだけあって、大人顔負けのすばらしい舞を見せてくれます。受験を控えたこの時期、毎日の稽古と勉強との両立が一番大変だそうです。練習後は気分が高揚して眠れないこともしばしばだそう。それでも「披露して成功することがうれしい」と、今年も頑張っています。

そしてお祭り当日は、子ども獅子の村舞(むらまい)から始まります。子どもたちは華やかな着物を着込み、大人たちの神楽とともに地区の家々を順番に訪れ、獅子を舞います。

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丁寧なお辞儀から始まり、子ども獅子舞が行われます。

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獅子頭をかぶり、重い御幣や道具持って舞う子どもたちは、見ていて本当に立派です。

上手に舞うことができるか心配していた大人をよそに、子どもたちは無邪気です。小学3年生の涼聖くんに感想を聞くと、「楽しい。全然緊張しなかった」と今年初めて舞ったとは思えない余裕のコメントをしてくれました。

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御所之入地区のこども獅子は着物が華やか。鮮やかな着物はこども獅子に特別感を持たせてくれます。

獅子舞が終わったあとは、各家で獅子舞と神楽のメンバーにごちそうが振る舞われます。

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3軒目の時点で、今年初めて参加する子どもたちはすでに「食べ過ぎた〜」と叫んでいます。先輩たちはもう慣れたもので、ペース配分もバッチリ、休み時間はしっかりくつろいで次の舞にそなえます。

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御所之入のお祭りは100年以上も続けられてきました。お祭りは、伝統を繋ぎ、地域の大人と子どもが触れ合うことにより、地域の結束がより深まるという側面ももちろんあります。ですが、それ以上に、大人も子どももお祭りに関わる全員が、毎年行われる行事を「いい場」と楽しみ、それぞれにとっての居場所やアイデンティティとしてとらえていることが、素晴らしいと感じました。

そんな集落で成長していくこども獅子舞のメンバーたちが、とても頼もしく、どんな若者になるのか、今から楽しみでなりません。

 

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