トップ町民ライターおおば みわさん願法寺のお茶物語②〜お茶の木がつなぐ地域の活動~

願法寺のお茶物語②〜お茶の木がつなぐ地域の活動~

6月6日、古町公民館と願法寺で開催された「願法寺の歴史とお抹茶体験」に参加してきました。大人300円、子どもは無料とリーズナブルでありながら、びっくりするほど盛りだくさんな内容で楽しいイベントでした。

まずは、お抹茶体験です。願法寺の一室にお茶会が準備され、お茶を点ててくださるのは、飯綱町在住の山本恵さん。山本さんは善光寺のお茶会でお茶を点てたり、飯綱町で講師を務めたりしている表千家の先生です。

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参加していた子どもたちのほとんどが、抹茶をいただくのは初めて。一人ずつ順番にお茶碗を受け取り、飲み干します。
「苦いー!」「ううん、思ったより苦くないよ、美味しいよ!」
皆さんの感想を聞きながら、自分の番がくるまでワクワク。さて、いただきます。

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コーヒーのガツンとした苦さとは違う優しい苦さで、香りが広がってゆっくり目が覚める感じがしました。
続いて、自分で抹茶を点てる体験です。茶筅でシャカシャカとやる、あれです。

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茶杓で抹茶をすくい、お茶碗にいれてお湯を注ぎ、茶筅で泡立てるようによーく混ぜます。初めて自分で点てた抹茶は、先生のものとは比べものになりませんが、それでも美味しくいただきました。お茶は難しい作法があるイメージでしたが、今日はとってもにぎやかで和やかにお茶をいただき、こんな風に簡単に楽しんでもいいんだな、と敷居が低くなった感じです。

お昼は古町公民館で「古町の味を楽しもう」をテーマにしたメニューをいただきました。飯綱町でこども食堂の活動をされている皆さんからの提供です。

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今日のメニューは、おにぎり、けんちん汁、よもぎ団子、お漬物などなど。 

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皆でにぎやかにいただく食事は美味しいですね。よもぎ団子は少し苦いイメージがあったのですが、全然クセがなくて、作ってくださった皆さんの料理の腕前の高さを感じました。当日来ていた子どもたちは、こども食堂の常連さんが多かったようです。この日、美味しいご飯をつくってくださった寺島恵子さんは、「元気?」と子どもたちに声をかけていました。

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寺島さんはこども食堂だけでなく、地域の高齢者の方々が交流する会も行っており、今日のイベントにも地域の皆さんが参加していました。皆さんたいへんお元気で、仲良くおしゃべりが尽きない様子です。もともと寺島さんは、別のお茶飲みサロンへ参加していました。しかし、コロナ禍で集まる機会が減ってしまったことから、自分たちの地域でもこういった活動ができないかと考えるようになったそうです。最近は地域の皆さんでだいたい月に一度、公民館に集まって手作りのお昼ごはん会を開催しているとのことでした。 

お昼のあとは、いいづな歴史ふれあい館学芸員の小山さんから「願法寺とお茶の歴史」というテーマでお話をお聞きしました。

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鎌倉時代の建保2年(1214年)、いまからなんと800年以上前(!)に常陸国(現在の茨城県)で創建された願法寺。各地[1.1]を転々としたのち、約400年前に現在の古町地区に移ってきたそうです。

「出開帳」とは、お寺の宝物を持ち歩きながら全国各地をめぐり布教活動を行なう宗教行事のこと。お坊さんといえばお寺にいて、お掃除をしていたり、お葬式の時にお経を読んでいただいたりするようなイメージがありますが、願法寺は檀家がほとんどなく、お坊さんは出開帳で留守にしがちだったのだとか。娯楽が少なかった当時、出開帳は大人気のイベントで、過去に訪れた地域から、次に来るときは期間をもっと延長してほしい、という手紙が願法寺に届くこともあったそうです。

特筆すべきは、願法寺の参道に植わっているお茶の木です。かつては本堂の裏にも茶畑があり、栽培されていたと伝えられています。お茶が栽培されるようになった詳しいいきさつは残っていませんが、願法寺は京都との交流が深かったため、宇治から種を取り寄せて植えたのではないか、と考えられています。ここで採れたお茶は、ほかの地域で作られていた一般的なお茶の10倍ほどの値段がつけられる高級品だったそうです。基本的にお茶は温暖な地域で栽培され、北信地方で栽培されることはほぼなかったのですが、願法寺の信仰と結びつき、価値を高めていったのではないか、とのこと。仏様にお供えしたり、お寺に参拝に来た方や出開帳で訪れた先で人々にお授けするため[2.1]に、代々作り続けられていたそうです。明治時代以降は出開帳は行われなくなり、さらに安いお茶が流通するようになってお茶づくりも下火になっていきました。
願法寺とお茶の関わりがさらに気になる方は、ぜひこちらの記事も読んでみてください。

そして最後は、古町地区在住で、AUMAKUA Iizuna Herbを主宰する青木しづかさんの、ハーブブレンド体験です。お茶の花をはじめ、たくさんのハーブが机の上に並びました。それぞれ香りも見た目も全然違います。

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好きなハーブを選んで、ティーバッグにいれてオリジナルのハーブティーづくりを体験しました!たくさんの種類を入れたから美味しいわけではなく、3種類ぐらいにしておいたほうがいいよ、というアドバイスをいただき、悩みながら選びました。それぞれのいいところを引き出せる組み合わせを見つけるのが難しいところなのだそうです。

できました!オリジナルブレンドのハーブティー!家で飲むのが楽しみです。

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帰り際に、もう一度願法寺に立ち寄って、参道を見下ろしてみました。参道のお茶の木の生垣がよくわかります。数百年前の人も、似た景色を見ていたのかもしれないと思うと、時空を超えた思いになります。

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茶の木の一部には、抹茶に加工できるように日除けがかけられていました。今年も、この茶の木から抹茶を作る計画があるそうです。

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「古町願法寺茶の木に集う会」主催の加藤ゆかりさんにお話を聞きました。

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「古町地域でお茶が育てられてきたことや、身近な地元のお寺である願法寺にこんなに歴史があることを、地域の皆さんにもっと知ってほしいと思い、この活動を始めました。でも、私だけではできることが少ないので、願法寺さんをはじめ、地域で以前からこども食堂をされている寺島さん、ハーブティーの活動をしている青木さんと一緒に企画しました。おかげで、こんな楽しい会ができました。始めたばかりの活動なので、どのくらい継続できるかはまだわかりませんが、皆さんと一緒に楽しみながら、少しずつ地域に根付く活動にしていけたらうれしいです。[3.1]」

加藤さんは、「今後は願法寺で作った抹茶と市販の抹茶の飲み比べや、コーヒーショップと協力し、抹茶ラテなど新しい抹茶の味わい方をみんなで楽しみつつ発見する会ができたら」と話してくれました。

今後の活動は、AUMAKUA Iizuna HerbのInstagramでお知らせするそうです。興味を持たれた方はぜひチェックしてみてくださいね。

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