キャリーバッグを引く旅人が描かれた、かわいいチラシが届きました。
「持ち寄る・繋がる・混ざりあう ―いいづなワ―ケーションプロジェクト企画― 旅×はたらく×出会う いいコネ旅マルシェ」。チラシの裏側には出店者がずらりと紹介されています。どうやらこのマルシェのテーマは旅。町内のお店や作家さんのほかにも、飯綱町まで旅をしてきた町外の方が出店されているようですね。会場は、いいづなコネクトEAST(旧三水第二小学校:以下いいコネE)です。
11月19日土曜日。いつもなら、当たり前のように車ででかけますが、いいコネEはわが家から車で15分。せっかく秋晴れの気持ちいいお出かけ日和が、私にいつもとは違うことをしてみようという気にさせました。息子に感化されて乗り始めた自転車が楽しいし、それこそ旅気分が味わえるかもと、自転車で向かってみることにしました。
いいコネEのグラウンドには、いくつものテントやキッチンカーが並び、ランチを楽しむ人、コーヒー片手にくつろぐ人、遊具で遊ぶ子どもたち、たくさんの人で賑わっています。
建物の入り口でPASSPORTをもらいました。旅気分が上がりますね! 飲食、物販、体験、それぞれのお店を利用すると、ここにシールを貼ってもらえる仕組みです。5枚シールをためるとオリジナルグッズがもらえるそう。「入国」スタンプを押してもらってさっそく中へ。
入ってすぐの場所で目についたのは、最近販売されたばかりの「みつどん(飯綱町のPRキャラクター)Tシャツ」。自称みつどんファンを名乗る以上、これは買わなければいけません。水彩タッチで描かれたみつどんがかわいい。その目の前では、みつどんTシャツを着た高校生がみつどんりんご飴を売っていました。
自転車をこいでお腹ぺこぺこ~ 美味しそうなシチューの匂いにつられて「れうりや」でランチを購入。パンを付けながら食べる野菜のシチュー、温かくて美味しい。隣のJPS Bakeryではサンドイッチやスムージーをオランダ人のご夫婦が販売していて、旅マルシェ感たっぷり。
どんなお店が出ているのか、きょろきょろしながら歩いていると、マネキンがかぶっている黒いふわふわした帽子が目に留まりました。試着させてもらうと、「この帽子は私のために作ったのかしら」と思うフィット感です。温かいし、みつどんのピンバッチを挿してもしっくりきます。買うしかありません。はい、お買い上げ。
帽子を作っているのは世田谷から旅してきたというミシンカフェ&ラウンジnicoさん。素敵な手作り布小物がたくさん並んでいます。手作りを楽しむための本も出されているのだそう。「飯綱町の裁縫好きな方たちとも、コラボして作品が作れたら楽しいですね」と話してくださいました。
陶器でできたりんごのピアスが大人可愛い、陶器のお店「sign works」などなど、ほかにも東京からのワ―ケーション出店がたくさんあって、ついつい目移りしてしまいましたよ。
「おむすびブックス」には、今日も粋なセレクトの本が並びます。目が吸い寄せられたのは、世界を変えた女性たちのスピーチがまとめられた本「だから私はここにいるSO HERE I AM」。飯綱町在住の店長、梅さんこと梅田梓さんに「女性のスピーチだけが集められた本は、なかなかないと思います。ポップな挿絵で読みやすいですよ」と勧められ、買わずに帰ったら気になって眠れなくなりそうです。
極めつけは、飯綱町の誇る赤塩焼きの陶工房赤塩。冨高俊一さんの作るマグカップやタンブラーは「tommys beto studio」として、高木しず花さんの作るお皿やカフェオレボウルは「nonky-nonky」として別ブランドで販売しています。同じ赤塩の土でできていて、同じ釜で焼かれた陶器なのに、まるで雰囲気が違っているのもおもしろいところ。
「nonky-nonky」の作品は、泉が丘喫茶室にも展示されていて、その中のミキシングボウルと目が合いました。家族6人分のサラダがたっぷり盛れそうな容量が魅力的、やさしい色合いも好みです。そして思いました「このボウルは私のために作られたに違いない」と。今すぐ抱えて帰りたいところですが、あいにく自転車で来たことが私の物欲にブレーキをかけています。即決できないお値段、でも欲しいです(実は後日、しっかりお買い上げさせていただきました)。
2時間半ほど、買い物をしたり、出店している方とおしゃべりしたり、飲んだり食べたりと楽しみました。結論からいうと、とても物欲を掻き立てられるマルシェです。
今回の旅マルシェは、「いいづなワ―ケーションプロジェクト」が土台になっているそうです。ワーケーションとは、ワークとバケーションを組み合わせた造語で、観光地やリゾート地など、普段のオフィスとは離れた場所で働きながら休暇も楽しむスタイルのことです。単に仕事と観光というものではなく、飯綱町を訪れる人と受け入れる地域の人が、お互いに持っている資源を混ぜ合わせ、新しい価値を創造していく取り組みにできないか、という思いから、今回のようなマルシェとして企画されたそうです。飯綱町での私の生活は、まさにワークしながらバケーションを地でいくスタイルだな、と感じました。地方移住や2拠点生活など、生き方が選べる時代になってきていますが、飯綱町で暮らす私にとっても、楽しい1日でした。