トップライターKAORUさん飯綱町から長野駅まで往復38km、息子の通学コースを自転車で走破してみた

飯綱町から長野駅まで往復38km、息子の通学コースを自転車で走破してみた

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高校生の息子が、筋トレ目的で自転車通学を始めました。長野市差出(長野駅から南西に3.2km)にある学校まで、自宅の飯綱町から20km強、車で40~50分のところを、自転車で行きは1時間ちょっと、帰りは1時間半ほどかけて通っているようです。長野市や飯山市まで自転車で通う高校生がいることはちらほら耳にしますが、どんな道のりなのでしょう?息子が卒業する前に一度、通学コースを体験してみたいと思い、長野駅までのサイクリングにチャレンジしてみました。

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A:飯綱町役場 B:表町信号 C:農産物直売所「むーちゃん」 D:ウエセ E:シタセ   F:宇佐美沢信号  G:田子信号  H:北部スポーツレクリエーションパーク  I:長野高専前信号 
J:北長野駅  K:菊屋稲荷社  L:長野駅  M:デリシア豊野店  N:ローソン長野豊野大倉店   往路約16km/復路約22km

【往路】
決行したのは11月23日(水・祝)。伴走してくれるという息子を、今日はコーチと呼ぶことにします。午前10時。天候は小雨。気温10度。出発地は飯綱町役場です。
 
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(10:00)コーチの指示に従って、タイヤに巻き込まないよう、レインパンツの裾はレッグウォーマーに入れ込みました。張り切って出発! まずは、若槻大通り方面、県道60号長野荒瀬原線(北国街道)を進みます。しなの鉄道のガードをくぐると最初の難関、ハードな上り坂。飯綱病院を右に眺めつつ、ギアを下げてひたすら足を動かし、ペダルを踏み込みます。

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(10:14)表町信号で一息。すでに息はあがっています。「ウエセまで足を止めるな」がコーチの指示。ウエセとは、上のセブンの略でセブンイレブン信州牟礼店を指すローカル用語です。飯綱町には坂の上と下にセブンイレブンが2軒あります。もちろん、坂の下、国道沿いの店舗は「シタセ」。必死にウエセを目指しますが、疲れ切ったところにあったのが農産物直売所「むーちゃん」。ウエセはもう目と鼻の先なので、「コーチ、ここで休憩しましょう」と提案。無事に受け入れてもらえました。

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(10:20)駐輪場完備のむーちゃんで、雨宿りしつつお茶休憩5分。きつい上り坂はもうありません。平出神社の手前も上り坂ですが、飯綱病院付近の坂に比べるとたいしたことはありません。(10:36)ピッツェリア・アンジェリコ前を通過すると、「このあとはもう上りはないから、車に気を付けて」とコーチ。私もあとに続きます。
 
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しかし、下り坂は怖い。しかも雨で路面が濡れているので、ブレーキをかけながら道路の端っこを慎重に下りていきます。コーチはあっという間に見えなくなっていました。自転車は軽車両なので、原則、車道を走るのですが、気が付くと私の後ろには車の渋滞が! 左に避けられる場所を見つけるたび、止まって車に追い越してもらいました。慎重に走っているとはいえ、ある程度スピードが出るので、先ほどの上りでかいた汗が一気に冷えていきます。飯綱町から長野市に入って少し行った宇佐美沢の信号で、コーチが待っていました。

田中信号付近の上り坂を避けて、田子信号を左折します。右手に見える北部スポーツレクリエーションパークの前(10:53)を走り抜け、市立長野高校を過ぎたら長野高専前信号を左折。この辺りは、ゆるやかな下り坂です。

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北陸新幹線と北しなの線をくぐる稲田エノキ隧道は、車道に比べて自転車・歩行者通路の方がアップダウンが少なくなっています。

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(11:10)稲田エノキ隧道を抜けた先の信号を右折。原町公民館の前をくねくねっと通って北しなの線の陸橋を渡ったら、新幹線の下を走る自転車・歩行者専用道路に入ります。

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(11:12)北長野駅前を過ぎると、すぐにまた自転車・歩行者専用道路が長野市役所まで続いています。走りやすくて快適。

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(11:26)長野市役所の裏に回ると、屋根から木が2本にょきっと突き出たお稲荷さん。菊屋稲荷社です。この先は、長野駅まで裏道をくねくね。長野駅近くのホテル「チサングランド長野」の向かいにある南千歳緑地も、車移動ではなかなか通ることのない場所です。

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(11:30)ついに目的地の長野駅に到着! 駐輪場側の駅出入口はこじんまりとしていますが、間違いなく長野駅です。飯綱町役場を出発してから1時間半。私にしては、いいペースだったのではないでしょうか。

【復路】
疲労感以上の爽やかな達成感があります。お腹がペコペコです。しかし、自転車で来た以上、自転車で帰らなければいけないので腹ごしらえをすることに。

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馬力を付けるため、ランチには駅ビルMIDORIにある明治亭長野駅店の桜丼を選びました。お肉にタレがしみ込んでいて美味しい。(13:10)おなかも満足したので、いざ飯綱町へ帰ります。長野駅を出発!
 
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帰りも、途中までは往路と同じ道を行きます。線路沿いをすいすい。

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(13:29)北長野駅。

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(13:42)西三才信号。往路は正面の北部スポーツレクリエーションパーク方向から来ましたが、復路はここで右折します。北国街道の坂はきついので回避して、三才駅を越えT字路を左折、豊野方面へ。

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(13:45)県道399号長野豊野線。ずっと北しなの線の東側を並行して進む感じです。時折、電車が追い抜いていくのが見えます。平坦で走りやすい道です。コーチは私をまくつもりなのでしょうか。ものすごいスピードでビュンビュン飛ばすので、私もギアを最大の9にして立ちこぎをして、なんとかついていきます。

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(13:57)デリシア豊野店に到着。ここで5分休憩。このあたりは、令和元年の台風19号災害で浸水した地域です。息を切らせている私に「楽しそうだね」とコーチ。コーチには毎日の通学路でも、私には一生に一度のアミューズメントな体験ですからね、楽しんでいきますよ。

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再び県道399号長野豊野線を進みます。

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鳥居川に架かる橋を越えたら、川沿いに北上します。

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なだらかな上りをこぎ続けると、国道18号に出ます。(14:19)大倉中央信号横のローソン長野豊野大倉店で15分ほど休憩。水分と糖分を補給しました。ナッツたっぷりのプロテインバーは200kcal超ですが、しっかり体を動かしているので、食べても罪悪感ゼロ。

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さて、ここからが最後の上り。コーチの指示は「こまめにギアチェンジして、なにしろ止まらないこと」。背中のリュックは重いので、問答無用でコーチに預けます。がんばりますよ、でもきつい。上り坂が果てしなく長く感じます。車を運転するときとは距離感が全く違います。車では何度も通っている道なのに、あとどれくらい上り坂があるのだろうかとうんざり。太ももが痛くなってきました。

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上りきったところでふり返って見た坂。ここを上ったのね、私。よくがんばりました!

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(14:58)しかし、これで終わりじゃない。飯綱町は、山裾に広がる町なのです。同じような上り坂をいくつか越えると、ついに見えてきました「飯綱町」の看板が! 

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見慣れた景色が見えてくると「帰ってきた~」と心底ほっとします。

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(15:13)体力が尽きる一歩手前でなんとかゴール! 復路は休憩を何度か入れながら2時間3分で帰ってきました。私、すごい。私、よくがんばった。自分で自分をほめてあげました!

これを毎日やっているコーチに感服です。「夜、自転車で帰ってくるとき、暗いから現在地がよく分からなくて、町境近くの堆肥屋さんのにおいがすると、もう近いなってほっとするんだよね」とコーチ。なるほど、よく分かります。

精魂尽き果てた今回のサイクリングですが、やり切った感想は「やってやれないことはない」です。何事も挑戦ですね。ちなみに38㎞は、皇居から埼玉県所沢市や神奈川県横浜市などまでと同じくらい。しかも飯綱町~長野市間は高低差があるので、息子の通学コースを実際に自転車を走らせてみて、どれくらい大変なものか、どこが危険なのか体感することができました。これからの季節は、雪が降り路面が凍ってしまうのでサイクリングはお休みです。春になったら、今度は日本海を目指してみるのもいいかもしれません。

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