トップライターはっさく堂さん東高原の花畑が家の彩りに。飯綱町出身の作家・小笠原タエコさんが紡ぐリース

東高原の花畑が家の彩りに。飯綱町出身の作家・小笠原タエコさんが紡ぐリース

9月下旬、飯綱町ではじめてのクラフトフェア「いいづなCRAFT」が開催された飯綱東高原・天狗広場。青々とした芝生の上に、ゆったりと配置された作家さんたちのテントが並びます。色とりどりの花が揺れるワゴンの隣でドライフラワーやプリザーブドフラワーのリースやスワッグ(花や葉、実などを束ねてつくる壁飾り)を販売するのは、飯綱町出身で現在は長野市在住のリース作家・小笠原タエコさんです。

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小笠原さんは旧牟礼村出身。母親が花好きだったため花が身近にある生活をしていましたが、小笠原さん自身は虫が大の苦手だったので、花を触る機会はほとんどなかったそう。それでも、結婚を期に長野市に引っ越し、8年ほど前に家を建てたことをきっかけに、花をつかったクラフトの世界に足を踏み入れました。

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「うちは壁が白くて、少し寂しいなって思っていたんです。あるとき友人の家に行ったら、とてもおしゃれなリースが飾ってあって。『買ったの?』と聞いたら、『自分でつくったの』と。こんなのが自分でつくれるのかと、びっくりしました」
「一緒につくろう」と友人に誘われた小笠原さん。100円ショップで材料を買い揃え、おしゃべりしながら初めてのリースをつくりました。
「その友人の影響でインテリアに興味がでてきたのですが、花があるとインテリアがとても映えるんですよね。花ってすごいと思うようになりました。それで、花を育てるのは無理でも、切り花をつかった作品づくりならできるかもと」
小笠原さんはフラワーアレンジメント教室に通い、インストラクターの資格を取得。さらにはプリザーブドフラワーの資格も取得しました。花で作品をつくる楽しさを共有したいと思い、自宅やカフェでフラワーアレンジメント教室やワークショップを開くようにもなりました。

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クラフトフェアなどのイベントにも参加するようになった小笠原さんには、花の作品を手掛ける作家として、気になる人がいました。飯綱東高原在住の、花の生産者でぬいぐるみ作家でもあるneneさんです。上村地区の畑で春から秋にかけて高原野菜と花を育て、晩秋から冬は主にぬいぐるみ作家として活動するneneさんは、自分で育てた花でドライフラワーやリースもつくり、クラフトフェアのブースで販売も行っていました。
「neneさんのつくるドライフラワーは色がとてもきれいで、見たことのない珍しい花も多かったので、『この人は一体……?』といつも思っていました。そして、この人から花を買いたいという気持ちが大きくなり、共通の友人に紹介してもらうことにしたんです」
    
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飯綱東高原の畑で花を育てるneneさん

neneさんと話しているうちに、花に対する深い知識や、独特の色の組み合わせなどにも感銘を受けた小笠原さん。花を買うだけでなく、花についていろいろ教えてほしいと思うようになったといいます。
「花を仕事にするのなら、もっと成長したいという気持ちが大きくなっていたころでした。そんなときにneneさんの花に出合って、この人から花について、そして作家としての考え方を学びたいと思い、勉強させてくださいとお願いしました」
最初は首を縦にふらなかったneneさんですが、「熱意に負けた」と講師を引き受けたそう。そして冬の間、小笠原さんは、neneさんからマンツーマンでたくさんのことを学んだそうです。「花のことを知り尽くしている人から、知識から技術的なことまで教えていただけて、作品が変わりましたね」と、小笠原さんは振り返ります。

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「飯綱東高原の花は、同じ花でも、標高が低いところで咲くものより色鮮やかだと思います。畑だけじゃなく、道路脇に自生しているサルスベリや百日草なども、山の方だとハッとするほどきれいなんです」
これからはネットショップに力を入れて、クラフトフェアでは出会えない人たちにも作品を届けたいと話す小笠原さん。飯綱町で育った花を中心とした作品たちは、まちの風景を切り取ったかのように、たくさんの家の壁を飾ることでしょう。

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neoflower花空 Instagram

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