トップいいいいいいづなマガジン新しい休耕地活用のカタチがここに! トレーラーハウスのピッツエリア「アンジェリコ」

新しい休耕地活用のカタチがここに! トレーラーハウスのピッツエリア「アンジェリコ」

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2021年8月、長野市から飯綱町への玄関口エリアともいえる飯綱町平出に、町内外から人があつまる飲食店がオープンしました。長野市にあるトレーラーハウス製造・販売会社「カンバーランド・ジャパン」が手掛ける「ピッツエリア・アンジェリコ」です。昼間見る建物のシンプルな佇まいはもちろん、日が落ちてからきれいにライトアップされた姿に目を留めた人も多いかもしれません。
「カンバーランドでは、これまでもトレーラーハウスを使って地震被災地や医療の支援を行ってきました。2019年10月の台風19号では、当社の豊野支店も被災。でも、そのことをきっかけとして、遊休農地の活用や地元食材のおいしさを発信するため、トレーラーハウスを活用した事業をスタートさせました」
そう話すのは、ピッツエリア・アンジェリコのスタッフ、池田明日香さん。2019年の女性ピザ職人全国大会で3位に入賞した料理人でもあります。

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実はこの場所は、長く使われていなかった農地です。地目が農地(田または畑)の場合、農地法の制約があるため、農地転用を申請しない限り住居や店舗などを建てることはできません。そのため、耕作放棄地は活用することが難しく、放置されて荒れてしまうことが多いのです。
それではなぜ、この場所でお店を開くことができたのでしょうか?
「トレーラーハウスは建築基準法で『車両(車両を利用した工作物)』にあたります。そのため、農地への設置もできるんですよ」と、池田さん。
「もちろん、上下水道や浄化槽などのインフラを整える必要はありますが、家を建てるよりも安いし、固定資産税もかかりません。レンタルやリースも可能。閉店や移転のさいにはハウスを運び出すこともできるし、必要なくなったら中古として売ることもできるんです」
トレーラーハウスの内装はカスタムメイドできるため、飲食店のほか、美容室やカフェ、スキーのレンタルショップなどにして営業しているお店もあるそう。ピッツエリア・アンジェリコにも、トレーラーハウスを使って開業を考えている人が見に来ることもあるそうです。

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提供しているピザは、ローマタイプのパリパリした生地。具材がたっぷり載っていて、食べごたえがあります。
「このピッツエリアは長野市豊野にある『トラットリア・アンジェリコ』の姉妹店なんです。トラットリアのシェフは野菜ソムリエでもあるので、地物野菜や長野県産食材を使ったレシピづくりが得意。シェフと私たちで、地域の方や観光で来た方に喜んでもらえるメニューにしました」
いちばん人気は定番の「マルゲリータ」ですが、飯綱町を愛する人にぜひ食べていただきたいのは「信州産林檎と自家製ベーコンのピッツア」。カンバーランドの社長が町内で栽培したリンゴを使ったメニューです。焼き立てのアツアツを頬張ると、リンゴの甘さに隠し味のジンジャー、それに自家製ベーコンとゴルゴンゾーラの香りとコクが華やかな一体感を生み出し、口の中に広がります。

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また、豊野のトレーラーハウスのお餅屋さん「辻の茶屋」でついた「力餅」を毎朝仕入れ、数量限定での販売もしています。力餅だけ買いに来る人も多い、隠れた人気商品です。2022年1月現在、力餅のお米は飯綱町産米を使用しているそうです。
「お客さんの多くは飯綱町の方で、7〜8割がテイクアウト利用です。コロナ禍でなかなか遊びに行けないなか、おいしいピッツアや力餅を持ち帰って家族みんなで食べて、地域が元気になってくれればいいなと思っています」
本格的な料理を提供することのほか、「休耕地活用による地域活性化」という社会的なミッションを掲げたピッツエリア・アンジェリコ。「今後はより地域に根付いたピッツエリアを目指したい」と池田さんは話します。
「ここでピッツエリアを始めて半年経ったいま、トレーラーハウスの可能性は限りないと感じています。これからは飯綱町の郷土料理『やたら』をつかったピッツアなどご当地メニューも開発しつつ、地元の皆さんや、飯綱町に来てくれる皆さんに愛されるお店であり続けたいと思います」

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ピッツエリア・アンジェリコ
長野県上水内郡飯綱町平出990-3
080-1411-5787

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