清泉女学院大学(長野市)人間学部文化学科3年生の20人余が、2021年4月から7月までの4か月間、飯綱町のコミュニティースペース「ZQ(ズク)」と連携し、飯綱のまちづくりについて考える授業をしています。若者にはこの町がどのように映るのでしょうか。まちづくりも若者目線で考えると、大人と違ったアイデアが生まれそうですね。まずは、フィールドワークと中間報告の様子をリポートします。
栄町コミュニティーセンターで飯綱町の説明を受ける学生たち
ZQの管理人たちにインタビューする学生たち
この授業は、文化を活用して地域の課題解決のあり方を考えることが狙いで、公共政策・まちづくりが専門の川北泰伸講師が担当しています。
フィールドワークが行われたのは、まだ肌寒い4月最後の日曜日。「飯綱町に来たのは初めて……」とつぶやく学生もいました。
栄町商店街商栄会会長の小林直樹さんや栄町区長の中村芳人さん、ZQの管理人である竹元奈々さんと湯出川奈津子さんの話を聞き、その後は実際に町中へ出かけました。
フィールドワークに出かける中村区長と学生たち
栄町商店街を散策。近年は古着店やシェアハウスなどもできてきています
「ここは昔は銭湯で、ここは旅芸人が公演する芝居小屋でした」などと解説しながら、小林さんらが学生と一緒に駅前商店街を歩きました。近年は、バッグ作家の手芸店、古着店、シェアハウスもでき、シャッターが目立っていた商店街に少しずつ復活の兆しが見えてきています。
中村区長は「新しく商売を始める人は、物を売るということよりも、人と触れ合うことを重視している。昔の❝人情味の再発見❞をしたい人が集まる時代になったのかな」と分析します。
ZQでは、内装を見たり、置いてあるパンフレットを手にしたり……と、学生たちは実際に自分の目で現場を確かめなら、飯綱町を体感している様子でした。
ZQもじっくり見学しました
さて、季節は変わり、初夏の爽やかな清泉女学院大学のキャンパスで中間報告が行われました。先日のフィールドワークで調べたことを、どのように具体化していくのかを発表します。テーマは、
(1)ZQの活用方法をプロデュース
(2)商店街を活性化
(3)飯綱町をキュレーション(情報を収集、新しい価値観を創生)
(4)編集・ライターとして飯綱町の魅力を発信、フリーペーパーを発行
の4つです。
(1)ZQ活用の班は、若者の利用を促すためにはどうしたらいいか、管理人と意見交換しました。
(2)商店街活性化の班は、栄町商店街の理想とする状態とターゲットとなる客層などについて話し合いました。
(3)町をキュレーションする班は、白いスケールを用いて、インスタグラムのように芸術的な風景や出来事を切り取って見せる方法で、町の魅力を発見できないかと提言しました。
(4)編集・ライター班は、若者が好む小さなかばんに入るようなサイズで、いいづなコネクトWESTとEASTのリーフレットを作ることを提案しました。さらに、フリーペーパーは、どんな内容で、どうやったら手にとってもらえるかを皆で議論しました。
いいコネやZQを運営する(株)カンマッセいいづなのスタッフも、学生の質問に答える立場で参加していましたが、「若い方の意見をどんどん聞いて取り入れていきたい」と、熱い期待を寄せていました。
学生たちの中間報告を聞く(株)カンマッセいいづなのスタッフ
学生らは、川北講師やZQ管理人から感想を聞いたり、意見交換をしたりすることで、どんどんやる気になってきたように見えました。7月には、学生たちによる調査結果の発表会があります。その模様は【後編】でレポートします。どんなアイデアが飛び出すのか、ご期待ください!