にぎわう「とちのき食堂」のランチタイム。少人数ならカウンターもおすすめです
2018年春に、日省学校から数えて144年の歴史を閉じた飯綱町立牟礼西小学校が、自然健康体験交流施設「いいづなコネクトＷＥＳＴ（ウエスト）」に生まれ変わりました。二宮金次郎（尊徳）像、大きなガラス張りの玄関、そしてシンボルツリーのトチノキ……。学校のたたずまいはそのままに、「とちのき食堂」がオープンしました。すでにレポートしたコインランドリーとともに、にぎわいをみせています。
緑色の枠が鮮やかな玄関を入ると、すぐ右側に旧職員室をリノベーションした「とちのき食堂」があります。「かつては先生たちがいたんだなあ」と、ちょっと入るのを遠慮してしまう人もいるでしょうか。でも大丈夫。とちのき食堂は職員室の面影をほどよく残してつくられ、中庭に面した壁は全面が開け放てる窓になっています。90平方メートルほどの空間はとても開放的で、人工芝が張られたグラウンドを眺めることができます。厨房とカウンターは水色のタイルで囲まれ、気軽に立ち寄れる雰囲気になっていました。
オープン最初の週、ランチタイムには満席になるほど町内外から人が訪れ、新たな空間の雰囲気を楽しんでいました。町外の人も、子どもたちが通った場所ということもあってか、どこか懐かしそう。かつての図工室の机を使ったという食堂のテーブルは、彫刻刀や絵の具の跡も残り、かわいらしさが感じられます。また、壁際には卒業生の美術作品などが飾られ、卒業生にとっては、うれしくてたまらない空間になっています。
営業は、火・水・木曜日はお昼から夕方5時まで。金・土・日はお昼から夜10時まで。ランチタイムはラーメンやギョウザ、丼ものが中心で、カフェタイムはコーヒーやケーキ、夜はおつまみやお酒なども提供していく予定とのこと。
実は新型コロナウイルスの影響もあって、開店を遅らせることになったのだそう。設備はそろっているのだからと、地域への周知も狙い、仕出し弁当の注文を受けました。これが好評で、食堂の知名度を上げるのに貢献したそうです。かつて宿泊施設で働き、ラーメン店の立ち上げに携わった経験がある店長の加藤貴彰さんは「予想していた以上にお客さまに来店していただいています。地域の方に気軽に寄っていただけるような食堂にしたい」と意気込みを語ります。
スタッフも、卒業生やその保護者として携わってきた人たちが中心で、再活用への期待もいっぱいに、接客をキビキビとこなしています。卒業生スタッフは「体育館に通じる懐かしい廊下が見える風景。母校で働いているなんて、なんだか信じられない」とうれしそう。
コインランドリーの「とちのきランドリー」では洗濯をしている人もおり、閉校した校舎に人が集まってきました。将来的には、宿泊ができトレーニングジムなども備える施設になるとのこと。全館オープンが楽しみになってきました。
「いいづなコネクトＷＥＳＴ」は、しごとの創業交流施設「いいづなコネクトＥＡＳＴ（イースト）」（旧三水第二小学校）と同様、地域の人々が利活用について検討を重ねた気持ちを受け継ぎ、まちづくり会社「カンマッセいいづな」が管理・運営しています。
まずは地域に愛されること。それからさらに町内外から訪れる人を含めた「交流人口」増が目標です。
閉校まで通ったという小学生は「西小にいたときは、放課後にトチノキの下に集合していました。新しい形で使われて、また人が集まる場所になってうれしいです」と感想を語ってくれました。
牟礼西小学校校歌には「平和の里に栄あり」というフレーズがありました。いつまでも、利用者の皆さんが、おいしいごはんを食べて、一息つける平和な空間でありますように。そして、自然とスポーツを楽しみ、健康を考える場として栄えますように。
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とちのき食堂
飯綱町大字川上1535 いいづなコネクトWEST内
電話：026-219-1352
営業時間：
火・水・木 11:30〜17:00(16:30 LO)
金・土・日 11:30〜21:00（20:30 LO）
定休日：月曜日
