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トップライター眞鍋知子さん「いただきます」って、なぜ言うの? 〜箱膳で学ぶ、食への感謝〜
トップいいいいいいづなマガジン「いただきます」って、なぜ言うの? 〜箱膳で学ぶ、食への感謝〜

「いただきます」って、なぜ言うの? 〜箱膳で学ぶ、食への感謝〜

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「いただきます」
食事の前に、私たちはこう言います。
この習慣にはいろいろな説がありますが、日本独特のもののようです。

いただく、という言葉の意味からも、
おいしい食事がいただけることはもちろん、
料理を作ってくれた方や食に携わってくれた方、
そして、食材自体への“感謝”の気持ちを表しているといわれています。

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飯綱町では、飯綱町の食文化を学ぶ、食育推進体験講座を開催しています。
2月29日、「食と農業への祈り~感謝して、祈り、伝え、承ろう」と題し、箱膳を用いて食べごとについて考える催しが、飯綱町民会館でありました。“食べごと”とは、農業から文化、環境に至るまで、食にまつわるあらゆることという意味です。協力は、だんどりの会を中心とした、飯綱町の食文化を伝える活動をしている「食の匠」の皆さんです。

箱膳で食事するだけではなく、地域に伝わる歴史や行事、食事のマナーなども学べるプログラムとなっていて、小さなお子さんからシニアの方まで、さまざまな参加者が集まりました。

まずは、歴史ふれあい館の小山丈夫さんを講師に、飯綱町に伝わる小豆焼きや成木責めという伝統行事の歴史を学びました。さらに、お話だけではなく、この日は実際に小豆焼きを体験してみることになりました。小豆焼きとは、小豆を使った占いのこと。小豆を焼いて、その跳ね方で作柄の吉凶を占ったとか。

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占い方は、熱した土鍋の上に小豆を2粒転がすだけと、とても地味。しかし、いざ小豆を熱し始めると、参加した皆さんもついつい身を乗り出して覗き込みます。
「今年のりんごの出来はどうだろうか」「お米は?」など、占う内容を決めて見守ります。
「昔の人はこんなことで一晩中盛り上がったの?」と、言いながらも、小豆がパチンと跳ねると、「おおお!」と声を上げて一喜一憂! 会場は大いに盛り上がりました。
昔もきっと、こんな感じだったのでしょうね。

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さて、占いが終わると、いよいよ箱膳体験です。
ちゃぶ台が使われるよりも前は、自分の食器一式を箱の中にしまって保管するのが一般的でした。食事の際には箱から食器を出して、箱はテーブルに、フタはひっくり返してトレイとして使う、なんとも合理的なスタイルです。

フタのトレイを持って、順番にお皿におかずを乗せてもらい、お茶碗とお椀に、それぞれご飯とお味噌汁をよそってもらいました。
この日のメニューは、大根やこんにゃくなどの煮物、小松菜のごま和え、ししゃもの天ぷら、お餅と一緒に炊いた小豆粥、野菜たっぷりのお味噌汁にたくあん。それから皆で取り分ける取り回しに、大豆を粉にして丸めて油で揚げ、甘辛く煮付けた、むじな団子という郷土料理です。

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さあ、みんなでいただきます!
お料理をいただく前に、食の匠の皆さんから教わったのは、まず①目で味わい、②匂いで食欲をそそらせ、③「いただきます!」 と挨拶をしてから口に運ぶということ。3口ほど食べたら「美味しいね」と感謝の気持ちを伝えることの大切さも忘れてはいけません。
何も言わずに食べてはいませんか? 食事を栄養補給や腹を満たすだけの行為ととらえてしまっては、あまりに寂しいですね。ひとときでもスマホやテレビから離れて、五感を使って味わってみましょう。

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食事のあとは、ご飯茶碗にお湯を注いでもらい、たくあんを使ってこびり付いたご飯をきれいに洗い流して飲み干します。
そういえば子どもの頃は、食後のお茶は、ご飯茶碗に注いでもらっていたっけと思い出しました。でも、もうずっとやらなくなってしまって、そんなこともすっかり忘れていました。さらには、「え、そのお湯を飲むの?」と抵抗感すら覚えてしまいました…。

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すると食の匠の方から、「でも、自分の食べたものなら汚くはないでしょう?」
確かにそうです。
そうすることで、食器を洗ってくれる人の手間が楽になり、洗剤や水の節約にもなる。
食事に関するあらゆる所作が、周囲への感謝、思いやりなのだとわかると、実に清々しい気持ちになりました。

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昨今は個食や孤食が増え、栄養が偏るだけでなく、マナーや食への関心が薄れてしまっているという悪影響が起きています。今回、お箸の持ち方や作法、食べる順番、おかわりの仕方や座布団の向きに至るまで、食事や暮らしの一つひとつに意味があることを教わり、日本の食文化の意味、それを守り続けることの重要性、食事の大切さを考える機会となりました。

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食への感謝、農業への感謝をきちんと表していた昔の人たちに習い、あらためて丁寧な暮らしを見直したい。その文化が飯綱町には残っている、ということが、とても誇らしくもありました。

さっそくその晩の夕食後、ご飯茶碗にお湯を注いでいただきましたよ!

*箱膳で食べてみたい!という方は
i-café(アイカフェ) いいづなアップルミュージアム内
箱膳料理は水・土・日曜の11:30~13:00、4名以上から5日前までに要予約、申し込みはいいづなアップルミュージアム(TEL026-253-1071)まで。

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