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ふるさと納税に新規参入! ITO果樹園の挑戦

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「『ふるさと納税』という言葉は、聞いたことがありました。でも、飯綱町が返礼品で農産物を扱っているということも、自分が関われるかもしれないということも、全く知りませんでした」こう話すのは、ITO果樹園の伊藤史雄さんです。飯綱町の高岡地区で、りんごとアスパラガスを栽培しています。
「ふるさと納税には今年はじめて参加し、注文数が増えるなど、すぐに手応えがありました。返礼品をやらせていただけることはすごくありがたい。ほかの人には教えたくないくらいです(笑)」

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しかし、今年は梅雨が長かったため病害が発生してしまい、アスパラガスの夏秋採りに影響が出て、予定よりも出荷が大幅に遅れてしまっているそうです。
「昨年は夏採りアスパラガスの生育がよく、いいものがけっこう採れたんです。自然相手の仕事なので、毎年同じ環境ということがないとはいえ、今年はかなり苦戦しています。ご注文をいただいた分はなんとかお送りできるように努力していますが、太いものが用意できなかったお客様にはお詫びのしるしに少し多めに入れたりしています」

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町からの委託でふるさと納税事務を運営しているのは、今年の5月、「飯綱町をカッコいい田舎にする」をコンセプトに設立された「株式会社カンマッセいいづな」です。
これまで伊藤さんは、農協に卸すほかにも、インターネットを活用してホームページやECサイトを作ったり、Facebookに毎日のように発信するなど、販路を拡大しようと努力してきました。少しでも反響があればいいと思っていましたが、なかなか見てもらえず、思うように販路が広がらないことに悩んでいたそうです。そんな矢先に、IIZUNAアグリサポーターズの一員でマルヤマフルーツ農園の天野奈津美さんからふるさと納税のことを聞いて、「ぜひ販路の一つとして取り組みたい」と参入を決めたそうです。

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色づいてきたサンつがるを収穫する伊藤さん

飯綱町で生まれ育ち、東京、長野でのサラリーマン生活を経てUターンで新規就農した伊藤さんですが、実家はりんご農家です。しかし自分には知識がないからと、会社を退職した後に長野県農業大学校で学び、平成27年に実家とは別に自分の果樹園を立ち上げました。減農薬、有機肥料、除草剤不使用にこだわり、安全でおいしいりんご作りに奮闘しています。
「自然農法を実践しているグループに参加しています。ここ3年で少しずつ減農薬に移行しました。安全なものを食べたいという趣向の人が増えているように思いますね。長期的には無農薬栽培も目指していきたいです」
ITO果樹園では「プレミアム パインアップルりんご」なる、特別なりんごが採れるのだそうです。
「もともと父の畑にあったサンふじなのですが、蜜が果肉内全体に広がってパイナップルを連想させるジューシーなおいしさが特徴です。農協では過蜜で規格外になってしまうのですが、もったいないのでブランド化したところ、「銀座NAGANO」でも取り扱ってもらえるようになりました」

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実は、伊藤さんは若い時にバイク事故でケガを負い、左腕が動きません。就農前はアルペンスキーで本格的にパラリンピックを目指していましたが、ソチ大会での最終選考に落ちたことから、就農を決意したといいます。このとき真剣にパラリンピックに取り組んだ経験が、農家として生きていく上での肥やしになっていると語ってくれました。
冬季オリンピックの近くになると、「必勝」の文字と選手の名前の入った「日焼け絵文字模り(かたどり)りんご」を、今でも付き合いのある関係者に送っているのだそうです。

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ふるさと納税の返礼品のなかでも、出品が足りなくなってしまうほど人気がある飯綱町産のりんご。最後に、これからの飯綱町の農業についてうかがいました。

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作業を機械化、省力化できる、最先端の矮化栽培

「『日本一のりんごのまち』として、先代から続くりんごを、次世代の僕らも若い農家さんとつながって盛り上げていきたいですね。ふるさと納税をきっかけに直販のECサイトに飛ばせたり、「りんご」で検索するだけではなく「飯綱町」としてアクセスしてもらえたりするような展開にしていきたいですね」
儲かる農業は可能だと思っていると、力強く話してくれた伊藤さん。パインアップルりんごの蜜のように、夢は広がります。

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