シードル、というお酒をご存知でしょうか? フランス語で、りんごを発酵(アルコール発酵)させて造るアルコール飲料のことです。英語ではサイダー、アップルワインなどとも呼ばれています。
りんごの産地として有名な飯綱町にもシードルの醸造所があります。その名も「林檎学校醸造所」。廃校を活用した醸造所で、飯綱町産のりんごのみを使ったシードルを生産しています。
シードルは通常冷やしていただくので、暑い夏の夜にぴったり! 林檎学校醸造所主催で「シードルを楽しむ会」が開催されたのは、まさにそんな暑い夜のこと。参加者は、醸造所関係者や地域のりんご農家、ゲストなど含め全部で15名。会場となったのは、飯綱町内「古民家カフェのらのら」です。
この日、試飲のために持ち込まれたシードルは、林檎学校醸造所ブランド「1組」(写真1枚目左・赤いラベル)と、委託醸造をしている3軒の契約農家さんのシードルで、合計4種類。林檎学校醸造所では、自分たちのオリジナルブランドとは別に、農家さんが個別にりんごを持ち込む委託醸造も行っています。(※2019年現在・飯綱町で収穫されたりんご限定)
乾杯は「1組」で。なんとビアサーバーから注ぎ放題! このシードルは、辛口で重みのある味わい。甘いシードルはちょっと苦手……という方にお勧めのテイストです。
乾杯したあとは、シードルに合うペアリングフードをいただきながら参加者同士の交流タイム。地元の野菜や果物を使用した見た目も鮮やかな食事は、味覚も視覚も楽しませてくれました。
たくさん用意していただいた中で、とても人気だったのはこちらのお料理です!
シードルのフルーティーな味わいと、さっぱりした軽い味わいがとても合います。暑くて食欲がないな~、というときでも、ぱくぱく進んでしまいそう!
参加者の喉が潤いお腹が満たされてきたころ、本日のメインイベントが始まりました。
フランス語の通訳・コラムニストの荻野雅代さん(写真右)と、フランスで食のイベントで活躍中のTakako et Naoko(写真左・Naokoさん)の3名によるトークショーです。本日のテーマはずばり、「フランスとシードル」。シードルが生まれた国フランスで、シードルがどんな風に人々に受け入れられているのか、食文化・宗教などさまざまな観点から見た内容でした。
スピーカーとオーディエンスの距離がとても近く、トークショーというよりは、まるで友達同士のように会話が弾みました。現地在住の方のお話を生で聞くというのは、本やインターネットの情報とはひと味違いますね。参加者から質問がどんどん出て、そこからまた話題が広がっていきました。
シードルで有名なフランス・ブルターニュ地方でもう一つ有名な特産物が、なんと、そば。飯綱町と風景も似ているのでしょうか。フランスでは、そば粉をガレット(そば粉を溶き薄く伸ばしたクレープ生地の上に野菜やチーズ、卵などを載せて焼いた郷土料理)として消費するのが主流だそうです。
トークショー後半は、Takakoさんによるガレット作りの実演が行われました。今回のイベントにあたり、フランス産のそば粉・ガレット専用フライパンなどの一式をフランスから持ってきてくださったそう!
今回いただいたのは、卵・ハム・チーズのガレット。口に入れた瞬間に香ばしいそばの味がふんわり広がります。素朴な味で、シードルとの相性ばっちり。
フランス・ブルターニュ地方と飯綱町、どちらの特産品も、りんごとそば。同じ農産物でも、文化が違うと消費方法が全く違うと改めて認識しました。
シードルとそば粉のガレットは、食べ合わせがいいとされていますが、飯綱町でも、りんごとそばを組み合わせた美味しい食事が生まれたらいいですね。そして、その素晴らしい循環で地域が盛り上がっていく、そんな可能性を感じるひとときでした。
林檎学校醸造所
〒389-1204長野県上水内郡飯綱町大字倉井922
電話:050-5876-2628
https://5gaku.com/
【古民家Cafeのらのら】
〒389-1233 長野県上水内郡飯綱町袖之山310
電話:026-253-2920
営業日:日・月・火曜日
営業時間:11:00~16:00
https://cafe-norahnorah.jimdo.com/