皆さんは、生活の中で消火栓って気にしたことはありますか?
消火栓といえば、群馬県前橋市が58年前の使用済みの消火栓を販売して新聞に取り上げられていましたが、おそらく普通に生活していて火災を経験しない限り、消火栓なんて意識しないのではないでしょうか。
しかし、飯綱町を歩いていると割と高い頻度で消火栓に出合います。
なんとなく、レトロで印象に残ってしまう真っ赤なアイツ。
今回はそんな、飯綱町の知られざる消火栓事情について調べてみました。
飯綱町の田園や自然の風景によく似合いますね
そもそも、私が筆者である私が以前住んでいた東京で見ていたものとは違い、形が少しレトロだなぁと思い、興味をもちました。
調べてみると、こちらの消火栓、全部同じかと思いきや、実は北川鉄工所と前澤工業という二つの製造メーカーのものがあるのです。
こちらが北川鉄工所
こちらが前澤工業
飯綱町で見かけるのは、地上式単口消火栓というタイプで、地上にホースと結合する管が出ているものです。
これは、雪が降って結合部が埋まってしまわないようにという理由から、雪が多い地方特有の型です。
雪の少ない地方では地下式となっていて、東京から移住してきた私が、なぜ消火栓に目を奪われて妙に印象に残ってしまうのか、理由はそこにありました。
形は一緒ですが、旧牟礼村のものから、最近のものまで、製造年はいろいろあります
また、町内でも特に雪の降る霊仙寺湖周辺では、こんなバージョンもありました!
近くで見て、改めて長さを確認
役場の方にお話を伺ったところ、町全体で現在は約810基設置されていて、古いものもありますが、年間に10基くらい更新しているそうです。
設置基準は、「消火栓1基につき家5軒がカバーできること」だそうで、単純計算で160mおきくらいに1基あるということになりますね。
よく見ると奥の方にもう一つ。画面内にある二つの消火栓を探してみましょう。
飯綱町における、平成18年から平成27年までの10年間の平均年間火災件数は、6.3件( 平成27年飯綱町統計資料より/https://www.town.iizuna.nagano.jp/fs/7/2/1/2/_/H27tokeishiryo.pdf)。
この件数が多いかどうかはわかりませんが、消火栓は定期的に更新しつつも、願わくばあまり本来の使用用途としてではなく、「お守り的」な意味合いで、道祖神のように道端にひっそりあってほしい存在です。
[参考URL]
株式会社北川鉄工所
前澤工業株式会社