「バリアフリーアクセサリー®」は、障害や怪我、病気、加齢などで手や肩が自由に動かしづらい方のために開発されたアクセサリーです。片手で簡単に着脱できるうえに軽量で、ネックレスやピアス、ブレスレットなどさまざまなデザインがあります。
この、みんなに優しいアクセサリーを通して、「おしゃれを諦めない」という思いを広めようとしているのが、飯綱町にあるアトリエサクラの町田祐子さんです。
町田さんは、飯綱町の本町通り商店街で商売を営んでいた家庭で育った、生粋の飯綱町ネイティブ。小さい頃から、手芸や小物作りなど、手を動かして何かを作ることが好きだったそうです。看護師として働いていた頃は、ハンドメイドから離れる時期もあったそうですが、「仕事以外に何かをしたい」という気持ちがずっとあり、アクセサリー作りを始めました。
セミナーを受講し、技術を磨くうちに、魅力的な作品を生み出せるようになった町田さん。ハンドメイド作品を販売するオンラインマーケットの存在を知り、副業としての可能性も考えました。しかし、新型コロナウイルスの影響でアクセサリー作家が急増し、市場は飽和状態に。
「ほかの作家さんとは何か違うことをしたい」──そう考えていたある日、SNSの広告で「バリアフリーアクセサリー®」のハンドメイド講座の広告を目にしました。
ZQのイベントでもアクセサリーを販売
「ちょうどその頃、自分も肩の痛みに悩んでいて、ネックレスを着けるときに不便を感じていたんです。それもあって『片手で簡単に着脱できるアクセサリー』という言葉に惹かれ、これだ!と直感しました」
無料体験会に参加し、半年間のオンライン講座を受講。今年1月には認定講師の資格を取得しました。
バリアフリーアクセサリー®。留め具(右の写真)はマグネット式で、脱着が簡単です
「バリアフリーアクセサリー®」の魅力は、ただ簡単に着脱できるだけでなく、片手でも作れるという点にもあります。認定講師になると、アクセサリーの制作だけでなく、教室を開いて作り方を教えることも可能になります。
「とはいえ、まだ資格を取ったばかりなので、まずは自分の作品を販売して、多くの人にこのアクセサリーの良さを知ってもらいたいです。障害があったり、年を重ねて肩が上がらなくなったとしても、『こういうアクセサリーがあるから、自分もまだ輝けるんだよ』ということを伝えていきたいです」
町田さんのアクセサリーデザインは、ほとんどがオリジナルです。季節感を取り入れることが好きで、取材時には「春」をイメージした作品を見せてくれました。
驚くほど軽い素材で作られたアクセサリー。種類も豊富です
現在、ハンドメイド専門のオンラインマーケットへの出店準備を進めていますが、「できれば地元・長野から広めていきたい」との思いも強く、店舗への委託販売や、7月に長野市で開催されるハンドメイドマルシェへの出店も検討しています。
「まだまだ片手で簡単に着けられるアクセサリーの存在を知らない人が多いと思います。まずは知ってもらうことが大事。それから販路を広げていけたらいいなと思っています」
町田さんは、ハンドメイドによって飯綱町全体を盛り上げることにも関心を寄せています。
「飯綱町にはものづくりをする人がたくさんいます。作家同士の交流の機会はありますが、ハンドメイドマルシェのようなイベントを定期的に開催できたら、より多くの人に作品を知ってもらえるし、町全体の活性化にもつながると思います。そういった機会が増えればいいですね」
イヤリングも軽い素材で、簡単に取り付けられます
「バリアフリーアクセサリー®」に興味のある方には、町田さんによるマンツーマンでの指導も可能です。さらに、アトリエサクラでは一般的なアクセサリーのワークショップも不定期で開催しています。興味のある方は、ぜひインスタグラムのDMで問い合わせてみてください。