トップライターKAORUさん飯綱町の子どもたちを見守る「ボランティア」さんたちの活動を紹介します

飯綱町の子どもたちを見守る「ボランティア」さんたちの活動を紹介します

今年も飯綱町内の二つの小学校(牟礼小学校、三水小学校)にはピカピカの1年生が入学しました。学校中に元気な歌声が響いています。

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入学式の翌日、三水小学校1年生の教室では先生から小学校生活における説明ありました。
「困ったことがあったら、周りの大人の人に教えてください。きっと助けてくれます。青い紐のネームプレートをつけているのは学校の先生です。赤い紐のネームプレートをつけている人はみんなの“お助けマン”ボランティアの方たちです」
子どもたちは「はい、わかりました」といった表情をして、教室の後ろに並んでいるボランティアの方々を見渡しました。この日、三水小学校には、初日だったこともあって6名の「1年生ボランティア」が参加していました。

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牟礼小学校では「学習支援ボランティア」として、学校教育全般にわたってボランティアの方の協力を得ています。1年生の入学当初の支援は昨年度から実施されました。三水小学校では「1年生ボランティア」と呼ばれ、今年から始まりました。
文字通り小学1年生のお手伝いをするボランティア活動です。初めての学校、初めての教室、初めてのランドセル。学校生活に慣れない小学1年生にとっては、何をするのも一苦労です。ランドセルは1年生の体に対してだいぶ大きいので、その中から必要なものを出し不要なものをしまってロッカーに入れるのは大変な作業。あちこちでランドセルの中身を床にひっくり返す事件が起こっています。そこで、ボランティアさんたちは朝の登校時と帰りの下校時に学校を訪れ、片づけをそっと手伝ったり、「連絡帳はあそこに出すんだよ」と教えたり、ランドセルを机に乗せたまま遊んでいる子に「ランドセルしまおうね」と声をかけたり、お腹が痛い子を保健室に連れて行ったり…。ちょっとした支援をするのがボランティアの役割です。

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4月9日は朝から雨降りでした。三水小学校1年生の教室に行くと「おはよう、よく来たね」と、傘からはみ出して濡れてしまったランドセルをボランティアさんがタオルで拭いてあげていました。
「雨降りだから、濡れてくるのは予想がついたからタオルを用意してきたのよ」と話してくださったのは、黒岩美代子さん。小学生ボランティアだけでなく、「牟礼デイサービスボランティア」にも通っていて、お風呂上りのお年寄りにドライヤーをかけるなどのお手伝いをしているそうです。
「教頭先生が手伝ってほしいと、ボランティア連絡会の総会に来て説明してくれたの」と微笑むのは小田切菊代さん。「手話サークル牟礼」に所属していて、北部高校の生徒と一緒に手話を学ぶ取り組みもしています。

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「去年は“ボランティアとは何か”を話してほしいといわれて飯綱中学校へ行きました。ボランティアが何か知らない子が多いことに驚きました」(黒岩さん)
小学校でのボランティア活動の感想を伺うと、「いろんなボランティアに参加しているけど、社会とのつながりはあまりないから、子どもたちと関われてうれしかったです。子どもたちはしっかりしてるし、手伝うのはそんなに大変じゃありません。ただ、ついつい手伝ってあげてしまいたくなるの。その辺りの加減が難しいですね」(黒岩さん)
「冬の間、体調を崩して辛かったけど、暖かくなって少し動けるようになりました。小学生を手伝うのは体力的にも問題ないし、先生の迷惑にならなければ今後も来たいなと思います」(小田切さん)
牟礼小学校では、先述のとおり以前から学習活動の支援のほか、交通安全のボランティアさんが子どもたちと一緒に学校まで歩いてきて、そのままグラウンドで遊ぶ子どもたちの見守りをすることもありました。
「大勢の人がボランティアに参加するようになって、地域の人たちがいい人たちなんだって子どもにわかってもらえたらうれしいですね。バイバイってあいさつできる関係をつくりたいです」(小田切さん)

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三水小学校の窪田恵教頭先生は、「年度初めは、子どもたちも決まり事を覚えるのが大変だし、ボランティアさんが対応してくださる間に、担任は連絡帳をチェックすることができます。朝のうちにきちんと連絡事項を確認できるから迅速に対応できます」とボランティアさんの協力が助かると話してくださいました。なるほど、忙しい先生方の仕事のサポートにもなっているのですね。

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「子どもたちを見守ってくださって、とてもありがたいです。ボランティアの方がいつも『楽しかったよ』と言って帰っていかれるんですよね。ただ支援してもらうだけでなく、子どもたちはいろんな方を元気にする力があるんだと大変うれしく思いました」と牟礼小学校の佐藤祥充教頭先生。
制度の立ち上げに関わった飯綱町社会福祉協議会のボランティアコーディネーター千野公子さんは、「学校はなかなか外部の人間が入っていかれないので、ボランティアの皆さんは、きっかけをつくってもらえてよかったと、とても喜んでいます。ただ、実際にやってみると、どこまで子どものやることに手を貸し出していいのか迷うとか、もう少し事前研修のようなものがあったらいいという声が上がってきました。今後は、皆で取り組める研修会の開催も考えています」。

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ボランティア連絡会の皆さんのフットワークの軽さや、細やかな気遣いは、さすがの一言です。ボランティア、先生、子どもたちが、互いに気持ちのいい関わりをもちながら、地域で子どもを見守る体制がより大きな輪になっていくことを願います。


 

 

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