トップライターアップルバードさん眠れない夜は珈琲をどうぞ。牟礼駅前に隠れ屋カフェ『消灯珈琲』がこっそりオープン

眠れない夜は珈琲をどうぞ。牟礼駅前に隠れ屋カフェ『消灯珈琲』がこっそりオープン

モヤモヤ心配事があったり、ソワソワ心が落ち着かなくて、寝付けないまま何度も布団の中で寝返りをうってはため息をつく。そんな心細い夜は、『消灯珈琲』に足を運んでみてください。

寝る前にカフェインなんて、余計眠れなくなるんじゃない?
いえいえ、ご安心ください。
木の温もりに溢れた空間で、カウンター越しに気さくな店主と会話を交わすひとときは、まるで昔から馴染んだブランケットのようにあなたをそっと包み込んで、波立っていた心が穏やかになるはず。優しく眠りの世界に手を引いてもらったら、なんだかいい夢が見られそう。もちろん、カフェインレスのコーヒーもありますよ。

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私がお店にお邪魔したのは、3月のプレオープンの日。消灯珈琲のInstagramの写真で場所の見当をつけて向かったけれど、看板が控えめ過ぎて、うっかりお店を通り過ぎてしまいました。たまたま外に出ていた店主に声をかけられなかったら、きっと一生たどり着けなかったでしょう。存在を過度にアピールしない商売っ気のなさに、見つけたときの喜びとともに好感度が上がります!

消灯珈琲は、中嶋彩花さん・真也(まさや)さんご夫妻が営むカフェ。しなの鉄道北しなの線「牟礼駅」から駅前の商店街を通って、10分ほど歩いた交差点の左角にあります。 

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交差点を左折してすぐを右へ

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ここはRingo荘の住人用駐車スペースなので、車で来た際は牟礼駅前か、栄町商店街駐車場をご利用ください

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入り口はここをくぐります!秘密基地感にワクワク♪

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一枚板の看板が目印

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一歩店内に足を踏み入れると、外観からは想像できない広さに驚き。昭和レトロ感が漂う、背もたれのついた座面の低いスツールが並ぶ

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こちらのスペースでは普段、珈琲豆の焙煎を手回し焙煎機で行っているそう。もともと物置だった建物に手を加えて、明るい吹き抜けと奥に焙煎室のあるカフェへと変身した空間は、店主夫妻の好きな物でいっぱい

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切り出したままの木目が生きている、一枚板のテーブル

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昔の商店街のパン屋さんにあったような、薄ガラスのショーケース

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大切に使い込まれたことが一目でわかる、味のある小皿やカトラリー

一度は役目を終えた古道具たちが、店主夫妻によって再び活躍の機会に恵まれ、若い二人の門出を見守っているようです。数年がかりとなった物置からカフェへの華麗な変身は、彩花さんの大学時代の友人の卒業制作にもなっているそうで。

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DIYワークショップを開いて、有志の方々に塗ってもらった壁の漆喰

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陶芸家のお友達に焼いてもらった、一つひとつ形の違うコーヒーカップ

店主夫妻が好きな物だけでなく、好きな人たちにも囲まれた穏やかな空間、居心地がいいはずです。

いろいろとお話を聞きたいところですが、まずは座ってコーヒーを一杯。ウィークエンドシトロンにチョコレートフィナンシェ、エスプレッソバナナケーキなど、ショーケース内の焼き菓子はどれも魅力的だけれど、今回は名前に惹かれて、「採算度外視」のパンにしました!ドライフルーツとクリームチーズがこれでもかとゴロゴロ入った贅沢なパンは、コーヒーのお供にぴったり!

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普段はコーヒーカップでの提供になるけれど、今日はプレオープンなので紙コップで。どれもしっくりと優しく手に馴染むコーヒーカップは、店主がお客様に合わせてセレクトしてお出しするそうです。もちろん、お好きな物を選んで注文してもOK!

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左が彩花さん、右が陶芸家のお友達が焼いたもの。見た目も違いますが、持ってみると、同じ量の土を使っているのに重さが違っていたのが不思議でした

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「私もカップを焼いてみたんですよ。見てください!そしたら娘も作っちゃったんですよ」と、満面の笑みでのたまう彩花さん。なんでも、カップを手にしたときの底の丸みが、1歳になる娘の絃(いと)ちゃんを抱いた感触と同じとのこと。よくわからないけれど、次回は絃ちゃんカップで一杯いただいてみようと思います。

プレオープンの情報を聞きつけて続々と来店するお客さんに、慌てる素振りなく対応し、慣れた手つきでコーヒーを注いでいくお二人。消灯珈琲は、店舗ができるまでキッチンカーで営業し、さまざまなイベントに出店していました。お客さん一人ひとりに声をかけながらも、ぶつからず流れるように動きがスムーズなのは、キッチンカー営業で養ったものですね。キッチンカーと違うのは、商品を買った後も、落ち着いて座って店主との会話を楽しめるところ。私ももっとおしゃべりをしたくなって、気になっていた消灯珈琲の店名の由来を、彩花さんに聞いてみました。

大学時代に不眠症になったという彩花さん。眠れなくて困っていたときに、夜も開いているカフェやバーに行き話を聞いてもらったら、とても気持ちが楽になり、眠れるようになったそう。そんな経験から、自分と同じような悩みを抱える人が安心できる場を提供したいと思うようになったと言います。 夜寝る前に明かりを消して、今日もいい一日だったなぁと思えるように。来てくれたお客さんが、明日もまた頑張ろうと思えるように。そんな願いが込められた消灯珈琲は、きっといつだって、夜の住人の心強い味方になってくれるでしょう。

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夜の消灯珈琲の様子

メニューも少しずつ増やして、本格的な営業は5月からスタートする予定とのこと。飯綱町に来た旅行者の方が、朝ご飯を食べる場所がなくて困っていたことから、土曜日に朝7時から営業するモーニングを取り入れてみたり。ほかのお店で食事したあとに2軒目として寄ってもらえるよう、お夜食を作ってみたり。「飯綱町の新しいコミュニティが生まれる場所を目指して、他店舗とかぶらないよう隙間を狙っていきますよ~!うっしっし」と笑う彩花さんを見ていると、こちらもワクワクしてきちゃいます。最初はコーヒーが苦手だった彩花さんですが、真也さんの淹れてくれたコーヒーで飲めるようになったとのこと。なんとも素敵ですね!

カフェとスナックとバーのいいとこ取りのような、ノンアルコールもお酒も、なにより会話を楽しめる消灯珈琲。営業時間などお店の詳しい情報は、Instagramをチェックしてみてくださいね。

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お店の名刺は、デザイナーでもある真也さんのデザイン

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飯綱町の夜喫茶『消灯珈琲』
火曜~木曜日 17:00~22:30(LO22:00)
土曜日 7:00~ Morning&POPUP
飯綱町大字牟礼513-1
消灯珈琲(@shoutou_coffee)  Instagram
消灯珈琲オンラインショップ

 

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