自然や人との関わりが自分を生かしている。

山下恵理子さん(38)

「今ここに風が吹いたなら、それには意味があるんだって、そう思うんです」

——— 山下恵理子さんは飯綱町で生まれ育ち、自然が持つスピリット、内なるものに導かれるように“音楽”を奏でています。20代前半のころ偶然、友人の持っていたディジュリドゥ(オーストラリア先住民アボリジニの楽器)に出会い、たまたま誘われたイベントで演奏したのをきっかけに、恵理子さんの参加するバンド“UKI”には、多数の出演依頼が来るようになった。「音楽漬けの日々でした。自分たちが求めていた状況じゃなかったので不思議だったけれど、何かの意味があって自分(たち)はやらなきゃいけないような、そんな気持ちでした。その意味がわかるまでやり続けよう、そう思っていました」 恵理子さんの奏でる音楽はいつからか導かれるように神社、仏閣での奉納演奏へと繋がりました。

飯綱町の自然や山を遊び場に育った恵理子さんは、小さなころからある種の“自然の感覚”を信じていたそうです。創る曲や歌詞は必ず、町を見守るようにある飯縄山や、広がる自然、小さな頃の自然体験にインスピレーションされているそうです。「ディジュリドゥも木を使ったアボリジニの信仰的な楽器だったし、奉納演奏という体験をとおして、自然や人との関わり、内なるものに目を向けるという感覚に改めて気付かされました」 それまでただ楽しかっただけの音楽活動が、意味があって演奏をしているのだと心境変化した瞬間でした。「同時に、自分の心と向き合えること、人との繋がりが目的となり、その結果に音楽があるんだと気付かされました」と恵理子さん。これをきっかけに恵理子さんの音楽活動もまた、屋外や自然の中での演奏、音楽とヨガの融合といった活動に広がっていきました。「今は、家庭を持ったことで昔のように音楽ばかりというわけにはいきませんが、そのおかげで、家族や地域、人との関わりの中で自分は生かされているんだと、強く思うようになりました。恩返しじゃないけれど、自分には何ができるのかなと考えた時、やっぱり音楽をやることなんだって思っています」 恵理子さんは昨年、自分の音楽が役に立つならと、飯綱町のPRキャラクターのテーマ曲を作曲したそうです。恵理子さんにとっての音楽は、これからも飯綱山に見守られながら、幼き頃から信じる自然の感覚をさらに深く追求し、奏でられていくのでしょう。

UKI 長谷寺秋分祭

https://www.youtube.com/watch?v=zec9hzQVbfU